赤チンの町 (新潮文庫 ね 1-4)
赤チンの町 (新潮文庫 ね 1-4) / 感想・レビュー
糜竺(びじく)
昭和34年頃の京浜急行線沿線の商店街にある、パン屋の息子である貞雄という少年の心の揺れを描いた成長小説です。なんかその当時の時代に自分自身が身を置いているような気分になりました。二人の親友も登場し、3人が多感な少年期を過ごしていきます。アメリカの中学生との文通だったり、詩への関心だったり色々挑戦します。この時代は学生運動が盛んだったようですが、それに主人公の家族も巻き込まれてしまったりと、当時ならではのエピソードもありました。直木賞作家のねじめ正一氏だけあって、作品の表現力も素晴らしく、いい作品でした。
2014/11/11
ナナメ
いつの時代であろうとも、少年は驚くほどに早く、たくましく成長を遂げるものなのでしょうか。世に蔓延する情報を知り得るが、本質を理解できない純粋な憤りが、羨ましくもあり、怖くもありと清々しい作品でした。
2014/12/05
sprexphkr138
中学生三人組の友情物語。読後は爽やかな気分になった。 昭和30年代が舞台だが、著者の意図とは反対で、デビュー作の高円寺純情商店街の方が、より映像が鮮明に出てきた。 親友との様々な経験を通して成長していく姿が描かれたこの作品は、また違った味わいがあって良かった。
2017/08/16
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