陽ざかりの迷路 (新潮文庫 た 43-3)
陽ざかりの迷路 (新潮文庫 た 43-3) / 感想・レビュー
桜もち 太郎
繊細でとても深い物語だった。「陽ざかりの迷路」との表題の通り、穏やかな親子関係の裏には何があるのか、迷路の中を彷徨ってようやくたどり着くような感じがした。父母と娘の関係、生と死、過去と現在などテーマは重い。死にゆく母に「あなたをこのまま送りたくない。逝かせたくない。私が一点の非も見つけることができないまま、逃げていくなんて、絶対に嫌」との言葉がこの物語の肝と言えるのかもしれない。母の過去と自分の過去が繋がるクライマックスは読みごたえがあった。
2017/12/15
まめちゃん
高樹さんの本はやはり難しいです。文章は丁寧に描かれているし、登場人物も余計な人は居ないし、小説として緻密に構成されていると感じました。 でもストーリーの展開はゆっくりとし、スムーズに読み進むのは困難。 やはりテーマも重いので仕方ないのかもしれませんが、エンターテイメントとしてはやや劣るのでしょう。 一度きりの人生ですから、祐平と誓子は世間の目を気にすることなく、自分たちの思いだけで暮らしていけば良いのではないでしょうか。年齢差があろうとそれは問題ないですから。でも最初に結ばれた経緯が不明。
2012/08/05
アルゴン
★★★ 文章がしっかりしているなあと思ってプロフィールをみたら芥川賞作家でした。無知です。それにしても登場人物がみんななんだかねちっこくて、好きになれませんでした。
2015/07/06
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