羅生門・鼻 (新潮文庫)
羅生門・鼻 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
本書は芥川作品の中でも秀作な物語が多い。『羅生門』に『鼻』や『芋粥』など。とくに『地獄変』の後日談となる『邪宗門』も面白い(未完なのが玉に瑕)。本末の解説では、モデルを藤原道長・頼通父子としているが、自分は藤原兼家・道長父子だと思う。何故なら、道長の正室・倫子(源 倫子)は、土御門の姫君と呼ばれ、本作の中御門の姫と一字違い。すると語り部は、源 満仲で、甥と称する人物は、息子の源 頼光。あの四天王(渡辺綱、坂田公時、碓井貞光、卜部季武)の頭目ではないだろうか。そして摩利信乃法師は…… (あぁ字数が足りない)
2015/11/17
馨
学生時代に国語で習った羅生門、懐かしいかったです。今読んでも変わらぬ不気味さです。(雨降り、門の上、老婆、暗い、下人・・・当時習った時でもどこか怖いイメージでした。)あんな短い話の中に人間の内部の醜い部分や善悪を巡る問答(めちゃ短い時間で)を描くのはすごいと思います。鼻は可愛い話ですね。こちらも人間の心の奥を垣間見る作品でした。『好色』が良いです☆友人の台詞の『人間は互いを傷つけあわないと一刻も生きれない』という言葉がさらっと言ってのけたけど印象的でした。
2013/12/08
kaizen@名古屋de朝活読書会
芥川龍之介は好きで、ほとんど読みました。羅生門は、あまり好きになれませんでした。昔は京都が好きでなかったからかもしれません。天災や飢饉という時代背景が後ろ向きだからかもしれません。荒れはてた羅生門という場所設定が暗い。死人の髪の毛をひきぬいている老婆という話が苦しい。男が生きのびる道を見つけるところはよかった。全体として暗い印象だけが残り、これが芥川賞の基準なのかと思い始めた。
2014/06/29
こーた
人間の根っこにあるものは、千年の昔も明治期も、いまだってさほどかわらない。大好物の芋粥を、飽きるほど飲んでみたいという欲望。いざ目の前に差しだされたら、とたんに興味を失って。巨大な鼻のお坊さんに、島にひとり取り残されるお坊さん。男女と神仏をめぐるあれこれ。はるか昔の人々の、まこと自由で奇っ怪な発想の数々に、近代の息吹を吹きこんで再構築する。古典文学を知っていれば、より一層愉しめる。反対に、この芥川から入って原典にあたってみるのもまた良し。麗しくも生々しい王朝文学の世界へようこそ!【2018年の河童忌に】
2018/07/22
ehirano1
「羅生門」について。まさに地獄絵図で、ヒトに宿る『闇』を改めて思うことになりました。その中で、右のニキビを触る時が「闇の門」のスイッチになっているのではないかと思いました。
2024/11/17
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