春待ち雑貨店 ぷらんたん (新潮文庫)
春待ち雑貨店 ぷらんたん (新潮文庫) / 感想・レビュー
シナモン
今の季節にふさわしいタイトルと綺麗な表紙に惹かれて購入。京都の小さなハンドメイド雑貨店「ぷらんたん」を舞台にした物語。困難を抱えて生きる主人公巴瑠だけど、まっすぐに自分の気持ちに正直に生きる姿が印象的だった。ミステリーがかった後半は温かだった前半とガラッとイメージが変わって酷いな~と思わせる内容。こちらも読み応えがあった。人の心の温かさ、醜さ。落ち着いた文章で綴られる心の内面が胸に響く一冊でした。
2021/03/17
りゅう☆
ハンドメイド雑貨店「ぷらんたん」店主巴瑠は恋人一誠にプロポーズされるも、ターナー症で子どもを産むことが難しく返事に悩んでいた。全て受け入れ巴瑠と結婚したいと言った一誠の秘密に驚くも、彼のある一言で結婚は白紙に。でも時間をかけてゆっくり分かり合おうと決めた二人。そんな日常に片方のピアスだけ注文したり、遠距離恋愛の彼氏に間違った刻印の入ったネックレスをもらってから連絡が取れなくなったり、付き合ってるのに体の関係を拒まれたりなどの疑問を見事に解き明かす巴瑠ってスゴイ。そんなぷらんたんに嫌がらせが?存続の危機に→
2024/08/12
たるき( ´ ▽ ` )ノ
『ぷらんたん』とひらがな表記ってところがまず好き。かなり深刻な悩みを抱えている巴瑠だが、そこでくすぶるのではなく、人生を切り開いていく姿がとても良い。皆それぞれ様々な問題を抱えているが、負けそうになってもまた立ち上がる様子に力強さを感じ、勇気をもらった。久しぶりの読了本がこの本でよかった( ´ ▽ ` )
2021/03/09
たるき( ´ ▽ ` )ノ
再読。ほとんど内容を忘れていたけど、先輩がクソ野郎だってことは覚えていた。自分の人生、決して良いことばかりではない。人のことを羨ましく思ったり、妬ましかったりすることもある。でも、選んで積み重ねてきた人生は宝物。誰もがかけがえのないものを手にしているんだ、と改めて感じることができた。
2023/04/27
陽子
京都の小さなハンドメイド雑貨店「ぷらんたん」。タイトルから連想した軽くて甘いイメージを、良い意味で裏切られた。このミステリーは人の心の深層部分に焦点を当てて、そこに潜む葛藤や本心をえぐり出すように、きめ細かく描きながら巧みに読者をグイグイと引きこんでいく連作。内容的にはやや恋愛寄り。愛することの本質とは、安易なものではないことを登場人物のやりとりを通して考えさせられた。人それぞれが感じる幸せの価値観も様々。「それでもあなたは、わたしを愛してくれますか」〜この作品のメッセージワードと感じた。読み応えあり。
2022/01/30
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