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伸子 (新潮文庫 み 1-1)

伸子 (新潮文庫 み 1-1)

伸子 (新潮文庫 み 1-1)

作家
宮本百合子
出版社
新潮社
発売日
1967-01-01
ISBN
9784101032016
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伸子 (新潮文庫 み 1-1) / 感想・レビュー

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松本直哉

伸子と結婚した佃という男が不器用でふがいなくて身勝手で、ことあるごとに伸子の気持ちを裏切るのを読むのが辛く、全く男という生き物はどうしようもないなと思いつつ、途中で投げ出しそうになったが、後半で伸子が素子という女性と知り合って友情を育み、生活への欲に再びめざめて、大胆に自らの欲する道を選び取ってゆくところは読みごたえがあった。自伝的色彩が強く、素子のモデルはロシア文学の湯浅芳子であり、離婚したあと彼女と数年間共同生活をしたらしい。震災直後の混乱の中で甘粕大尉の蛮行を礼賛する男が一筆書きのように描かれる

2024/08/02

椿子

伸子の結婚物語。といってしまえる内容なのだけれど、面白かったです。伸子の結婚相手である佃が、結婚前と後で、だいぶ性格が変わってしまったように思えるのも面白い(伸子側からの見る目が変わったのかも) しかしこんな陰気で束縛が強い男は嫌だなあ、と重いながら読みました。続編もまた読みたい。昔の風俗がわかるのも良い。

2016/01/28

飴玉

若い小説家の伸子は佃という学者に恋をして結婚したが、深く知るようになった佃の姿に幻滅し、次第に結婚生活が耐え難いものとなる。佃との争いに疲弊した伸子は、ロシア文学の翻訳をする素子と知り合い(女性の独立は当時珍しかった)、久しく忘れていた生きることの楽しさ、生きる目的を思い出す。作者の百合子と前夫の荒木、そして湯浅芳子の関係を、百合子の視点から書いた私小説。現実はもっと過酷であったろうに、感情の拘泥さえも小説でこれほど綺麗にまとまった心象描写に変えてしまうとは……百合子の才能を感じる一作。

2015/12/31

つぐ太

嫌すぎる、こんな旦那嫌すぎる。伸子の視点で書かれているので、ぜひ佃視点の文章も読んでみたいものだけど。

2016/09/19

サラ

読んでみたら何だか面白かった!フェミニズムを掲げる女流作家はあまり好きではないけれど、宮本百合子が描くこの『伸子』は私の好むところ。伸子に共感できるがゆえに、佃のどうしようもなさもなぜか憎めない。オチは好みではなかった。それでも辿り着くところはやはり女性の自立なのか。

2015/01/25

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