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ゴーグル男の怪 (新潮文庫)

ゴーグル男の怪 (新潮文庫)

ゴーグル男の怪 (新潮文庫)

作家
島田荘司
出版社
新潮社
発売日
2018-02-28
ISBN
9784101033143
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ゴーグル男の怪 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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Tetchy

本書は2011年にNHKで放映された『探偵Xからの挑戦状』という番組のために書き下ろされた作品。島田作品では唯一映像化先行の作品だ。私はその番組を観ていたので事件の真相は覚えていたが、本書は放送時にはなかったサイドストーリーがかなりのウェイトで付け加えられている。それはあの臨界事故をモデルにしているのだが、これが実にキツかった。最盛期の島田氏の奇想溢れるミステリとしてまさにこの作家しか考えつかないアイデアと驚き、そして納得に満ちたミステリであり、最近の作品の中でも本格ミステリ度の高い快作ではあるのだが。

2018/10/28

KAZOO

最近の島田さんの書かれている本は昔の面影がなくなってきています。確かにゴーグルをなぜかけているのか、というところなどは以前の作品を思い出すのですが。お年を召された感じです。なぞを中心にということよりも世間の話題を持ってくるほうが受けるということなのでしょうか?少し残念な気もします。

2018/04/15

ケンイチミズバ

復讐のために生きてきた青年。悪人に追い込まれこのままでは人生がないと思った女。二人とも互いの存在を知らない点と点。青年は人格が壊れていても純真、女は狡猾だった。点と点が線上で偶然にも交錯した深い霧の夜、青年にとって女性は自分の分身となり、神の降臨にも思えた。呪縛から解放された瞬間、涙があふれ彼の口から漏れたのはありがとう。女性は荒んだ人生を生きてきてこの時生まれて初めてありがとうという言葉を聞く。滅多刺にされた悪人は息絶えた。臨界事故の被害者の描写があまりにもリアルで恐ろしくなりました。

2018/03/12

momi

文庫化にあたり加筆!顔にゴーグルをしたまま風呂屋の風呂に入り、ゴーグルをつけたまま定食屋で定食を食べる…。何故、男はゴーグルをはずさないのか!私は、ゴーグルに異様に固執する男にひきつけられて一気に読みすすめました!最後は尻すぼみに終わった感じがしますが、霧のかかった世界感は伝わってきましたし、1人の男に人生をメチャクチャにされ狂わされてしまった彼の苦しみや悲しみが、とてもかわいそうでした。始まりは煙草屋の老婆殺人事件が、性的虐待、原子力施設の臨界事故の社会的問題にまで広げて小さな驚きがありました。

2018/03/09

勇波

島田先生らしい作品。色々消化不良な感じではあるけどそれなりに楽しめたかな。事の真相と原子力が余りにもかけ離れてるので、結局この作品で何を言いたかったのかはもひとつ不明ではありんす★

2019/09/10

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