さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記 (新潮文庫)
さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
<感想はジョン万次郎のみ>本書は第6回直木賞受賞作なのだが、文体・構成はともに小説的であるよりは、より説話的である。すなわち、ジョン万次郎が土佐の漁船に乗り組んでいて漂流(天保12=1841年)し、アメリカの捕鯨船に拾われハワイを経て渡米、約10年後に帰国し(嘉永4=1851年)、その後74歳で死を迎えるまでの生涯を淡々と記述してゆくのである。その間の感情表出もなくはないが、極めて乏しく、あまり小説的でないというのはその意味においてである。幕末から維新という動乱の時期に帰国するのだが、彼の生涯は彼自身⇒
2021/07/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
【直木賞】ジョン万次郎が、文庫で出ていることを、岩波の「図書館に行こう」を読んで知りました。子供の頃、冒険物語が好きで、子供向けのものを読みました。久しぶりに、読んでみると、人の苦労が分かるようになっている自分に気がつきました。
2014/03/16
chimako
昭和5年~13年に書かれた『さざなみ軍記』、昭和12年に書き下ろされた『ジョン万次郎漂流記』、太平洋戦争下甲府に疎開た時に書かれた『二つの話』。どれも今から70~90年も前の作品である。読みにくさもあるし、漢字の使い方も難しい。今では怪しい表現(例えば「土人」)も随所に出てくる。そんな時代がかった1冊。『さざなみ軍記』の書き始めは中学生が英語の長文を訳しているようなたどたどしさがあるが、これは意図的らしい。文章は短めながら情景が浮かび辛く読むのに時間がかかった。ジョン万次郎はイメージが変わる1編だった。
2016/12/04
hit4papa
直木賞受賞作を含む短編集です。「ジョン万次郎漂流記」は、遭難した漁師が救出されてアメリカで過ごし、幕末に活躍したという、日本史の教科書でも有名な物語。ロマン溢るる史実に、著者のまるで側で見てきたような想像力に感嘆してしまいます。前半はワクワクするのですが、後半は歴史書の赴きで興奮がトーンダウンしてしまいました。「さざなみ軍記」は、平家滅亡を背景とした成長物語です。九年かけた労作だとか。一人の少年の逃亡の日々を、日記として綴っています。こちらも臨場感たっぷり。他、タイムスリップもの(?)「二つの話」です。
2021/02/24
優希
面白かったです。平家一門のことやジョン万次郎のことはそこまで詳しくないので、もっと知識があればより面白かったのかもしれません。日本史はまだまだ学びの道にいるようです。
2023/03/19
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