新しい生物学の教科書 (新潮文庫)
新しい生物学の教科書 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
構造主義生物学を標榜する池田清彦氏による、高校の生物教科書への批判と建設的(構造主義的)解説。こんなタイトルではあるが、読み物として頗る面白い。私は「現代人への道」の章を読んでいて、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの共存が新しい知識ではなかったにもかかわらず、電車を乗り過ごして終点まで行ってしまった。構造主義生物学とネオダーウィニズムを対比させた「生物多様性」の章における、昆虫の種ばかりがやたらに多いことへの説明なども、なかなかにスリリングで説得性に富んでいるように思われる。
2019/01/15
(C17H26O4)
構造主義生物学、構造主義進化論に触れました。高校生物の教科書を大体理解している人は半日、そうでない人も2日もあれば読了し、現代生物学の概要が分かる本とのこと。高校時代は遠い昔。どこまで理解できたか不明。たまに読み流しつつふむふむと。〈メモ〉真に遺伝されるものはDNAではなく細胞で、真に遺伝されることはシステム。DNAもそれが担う情報も遺伝されるものの一部。DNAがシステムをつくっているのでなく、システムを構成する部品にすぎない。システムはDNAの情報を解釈する。進化にとって重要なのはシステムの定立と変化。
2019/02/05
もちまる
コンセプトから面白い! 高校生物の教科書で書かれている記述を複数の教科書で比較した後、専門知識も紹介してくれる。 内容は少し難しいが遺伝とか生体とか興味ある人にはおすすめできる1冊でした!
2019/12/11
たぬ
☆4 うわあ文字だらけだ読み切れるかなしかも20年前の本って情報が古くなってるんじゃと一瞬ためらいましたが杞憂でした。遺伝子の話はちょっと難しかったけど大体においてはそれなりにすいすい読め、生物学の概要がざっくりですが理解できたと思います。さんまの番組でウヒャウヒャ楽しそうに喋っている印象が強いけど、それ以前に生物学者だし理学博士なのよね。
2021/03/17
maimai
生命の本質は「循環」。呼吸をして細胞が活動をして代謝を繰り返すことで私たちの体は日々生まれ変わっていくみたいです。だから昔の自分と今の自分が同じだなんて細胞単位からみてもあり得ないことなんですね。いつになっても人は変われるし変わらざるを得ない。諸行無常ですね。また全てが食物連鎖の中に組み込まれ最終的には母なる大地「地球」に帰っていきます。そう考えると自分は生かされているのだと感じます。もっと感謝の心をもたねば(-_-;)
2016/06/07
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