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放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

作家
山田詠美
出版社
新潮社
発売日
1995-03-01
ISBN
9784101036151
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放課後の音符(キイノート) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

この作品はかつて「オリーブ」に連載された短編8つを収録したもの。いずれも女子高生が語り手となり、彼女自身の、あるいは友人の恋を語るというスタイル。連載されたのは24年も前なので、そこで語られる恋は、大人の山田詠美の観察と想像から描き出したものであり、必ずしも今の女子高生の実態を忠実に映し出してはいないのかもしれない。しかし、感覚的には今も十分に共感を得られるだろうと思う。表現も実に細やかで、しかもうまい。例えば、そこでは大人の女をこんな風に定義する。「片方の頬に夕陽が当ると、もう片方の頬には影が出来る」。

2012/11/23

❁かな❁

【再読】女子高生の気持ちが繊細に瑞々しく描かれる。少女から大人の女性に変わっていく17歳の頃の記憶が蘇る。「Body Cocktail」の中の女の子みたいに私も高校生の時アンクレットつけてたなぁ。「Sweet Basil」のその後が「Keynote」で描かれていて嬉しい。文章は洗練されていてどの女の子も魅力的。恋をした人たちはお互いがお互いを子供に戻す。恋する想いに懐かしい気持ちになる。詠美さんのあとがきにあるように素敵な無駄使いをし恋や友情にうつつを抜かすことは大切。詠美さん大好き。素敵な短編集。

2020/01/24

zero1

「素敵な無駄使い」は名言。多感な17歳、女子高生たちの恋愛を描く八つの短編。光る文章は読むに値する。教師や先輩を含む恋愛を、彼女たちはどう見て感じたか?こうした作品を読むと、すごく刺激になるし感受性も磨ける。ただ、"keynote"の父親には不満。好きな男の前で服を脱ぐことができるかと娘に問い、香水を与えるとか現実離れしている。芥川賞選考委員としての山田風に言うなら、勘違い女の考えそうなこと。でも小説としては成り立っている。

2019/01/25

女子高生が主人公の短編集。ありそうな、なさそうな青春の恋の話・友情の話。表題作が1番良かったです。好きなジャンルの話ではなかったけれど読みやすくてどんどん進みました。言葉が美しく、三島由紀夫の作品に出てくる女性キャラのように話し方に品があり読んでいて心地が良い作品でした。

2020/08/01

パトラッシュ

いい年の男が読むと何とも気恥ずかしくなってしまう、セヴンティーンズのピュアな恋物語。さすがに20年以上前の作品なので古めかしい部分もあるが、思春期の女の子が精一杯背伸びして性を知り恋を体験しようと奮闘する姿は逆に新鮮だ。そこには少女マンガ的な甘酸っぱさはなく、むしろ教養小説的に恋愛経験を通じて成長を追求する真面目さが描かれる。友人たちの恋模様を見てきた語り手が少しずつ成長していき、幼馴染の同級生と本当の恋を見つけるラストが美しい。「子供だけど恋する気持ちは一流」とは、すべての恋愛女子の最終目標ではないか。

2020/12/22

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