夫婦善哉 (新潮文庫)
夫婦善哉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ゴンゾウ@新潮部
初めてのオダサク。どの作品も大阪ミナミの庶民の生活が背景となっている。谷崎作品とは別世界の大阪が活き活きと魅力的に描かれている。その大阪を舞台にいろいろな男女の愛憎劇が描かれている。悲惨な愛の形もあるのだが、悲惨さを感じさせないのがオダサクなのか。「夫婦善哉」の柳吉のだらし無さに憤り、「六白金星」の楢雄の男気に惚れ惚れとし、「競馬」の寺田の純情に癒された。「世相」もよかった。
2015/05/02
シ也
太宰治展の写真で名前を知り、文豪ストレイドックスの小説を読んでから興味を持った織田作之助。以外と読みやすい事にまず驚いた。各作品の中でちょくちょく出てくる国木田独歩やトルストイの名やアンナ・カレーニナ、カラマーゾフの兄弟等々のロシア文学作品のタイトルは、織田作が好きだったから出てくるのだろうか。阿部定の名前には(そういう時代だったのか... )と変に感心してしまったり、エログロをグロチックと呼ぶのにはなるほどと膝を打ってしまった
2016/06/14
カピバラ
柳吉のダメ亭主ぶりがひどくて、なんで、蝶子が愛想を尽かさないのかが不思議でした。それでも夫婦というものは足りないものを補いあっているんでしょうか。なんだかんだで、ぴったりの二人でした。
2015/10/24
いたろう
本日(2014/1/31)開催の奥泉光×いとうせいこう「文芸漫談」のお題となっていたため再読。二人の漫談(解説?)を聴き、主語が省略されたオダサクの流れるような文章が、いかに端的に多くのことを多弁に語り、かつ、そこはかとない人間の可笑しみを表現しているか、改めて気づかされた。いとうせいこう氏絶賛の「六白金星」も確かに素晴らしい。
2014/01/31
tokko
今度、法善寺横丁の「夫婦善哉」を食べに行こうと思ったので再読。柳吉が「甲斐性なし」の「あかんたれ」でも、「一人よりも女夫の方が良えいうことでっしゃろ」と言える蝶子がうらやましい。千日前に道頓堀から宗右衛門町…大阪には欠かせない地名がたくさん登場するのも嬉しい。あぁ、「自由軒」のカレーが食べたくなってきた。「自由軒のラ、ラ、ライスカレーは御飯にあんじょうま、ま、ま、まむしてあるよって、うまい」あほ坊の柳吉だけれど、これは本当です(笑)
2013/01/08
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