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夫婦善哉 決定版 (新潮文庫)

夫婦善哉 決定版 (新潮文庫)

夫婦善哉 決定版 (新潮文庫)

作家
織田作之助
出版社
新潮社
発売日
2016-08-27
ISBN
9784101037028
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夫婦善哉 決定版 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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優希

面白かったです。大阪のノリが隅々まで詰まった短編集でした。テンポのいいドタバタ喜劇ばかりで、この世界観はお笑いによくある雰囲気だなと思いました。お笑い自体は興味ないですが、こういう小説で読むお笑い要素は好みです。『世相』には実際に織田作自信が登場し、詭弁を振るうのがいいなと。コテコテの関西弁も味がありますね。昭和初期の大阪を堪能しました。

2017/04/05

じいじ

舞台が大阪でなければ成立しない、大阪情緒に溢れた物語です。妻子ある柳吉に、芸者・蝶子がベタ惚れして駆け落ち…から幕が上があります。賭け事・女好きで怠け者…そんなダメ亭主に、ひたすら尽くす女房・蝶子がいじらしい。こんな男と何故別れない、と心で呟きながら読むうちに、この夫婦が愛おしくなってくる不思議な小説です。タイトルが秀逸。惚れた弱みの蝶子さん、まさしく「あばたもエクボ」です。善いと相手の言動を褒めたたえる〈善哉〉な夫婦の物語です。

2019/08/09

扉のこちら側

2016年801冊め。決定版文庫化ということで手に取ってみた。まず作品のベースにある大阪での生活が生き生きと描かれているのがおもしろい。誰が見ても立派なダメ男なのに尽くしてしまう女心の謎。柳吉の何が良かったのだろうかと思ってしまうのだけれど、やはり夫婦には夫婦にしかわからないものがあるということで。続編は大阪から急に別府に飛んでしまうので戸惑った。

2016/10/07

となりのトウシロウ

織田作之助初読。最も有名な「夫婦善哉」を含む6編から成る短編集。夫婦善哉は、妻子ある身の柳吉は蝶子と駆け落ちをして、転々と商売を変えるが長続きしない。蝶子はなんでこんな金遣いの荒い男と一緒にいるのだろう。かなり古めかしい文体で読みづらいものの、見知った大阪の地名や店が出てきてなんか嬉しい。特に自由軒は織田作之助が愛した店として有名。戦前の大阪の雰囲気が盛り込まれている。他の作品では「木の都」「競馬」が面白かったです。

2024/02/17

molysk

問屋の跡取りの柳吉は妻子ある身ながら、芸妓の蝶子と惚れた仲となって、実家を勘当される。くっついたものの、柳吉は、商売に精を出しても長続きせず、金を持ち出しての放蕩三昧。そのたびにしっかり者の蝶子に折檻を受けても、性根は直らぬダメ亭主っぷり。それでも蝶子は粘り強く亭主の尻を叩いて、商いを転々としながら、大儲けと借金を繰り返しての波乱万丈。柳吉の父の今わの際にも勘当は解けずも、離れて暮らす娘にはついに仲が認められる二人。表題作のほかはひやりとさせられる短編が多かっただけに、夫婦善哉の結末には、心が温まった。

2021/05/16

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