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神とさざなみの密室 (新潮文庫)

神とさざなみの密室 (新潮文庫)

神とさざなみの密室 (新潮文庫)

作家
市川憂人
出版社
新潮社
発売日
2022-02-28
ISBN
9784101037813
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神とさざなみの密室 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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麦ちゃんの下僕

2つの部屋から成る“密室”…その中には、相反する思想を持つ男女(“左”の凛&“右”の大輝)と、顔を焼かれた男の死体が閉じ込められていた…!?「政治✕ミステリー=社会派」というのが一般的な図式ですが、この作品はあくまで“本格ミステリー”の範疇で「政治✕ミステリー」の融合を目指した意欲作!凛&大輝の”背景”を描く第1章はやや苦痛でしたが(苦笑)…第2章以降はとても面白かったです。“謎の探偵”の正体はすぐ見破れましたが…さすが市川さん、事件の全貌は予想以上に凝ったものでした!“政治ネタ”に抵抗感の無い方はぜひ。

2022/03/13

かんらんしゃ🎡

政治思想色が強いミステリーでした。舞台は2015-8年頃の安倍政権時代か。数の暴力で押し通したいくつもの法案。あー、読んでいてまた腹が立ってきた。作者も言いたかったのはきっと政治の部分でしょう。密室ミステリーは舞台を借りたにすぎない。メッセージは大上段に物申すより、フィクションにした方が広く浸透する。それこそ「さざ波」のように。

2022/06/26

yukaring

政治色の強い内容にノンポリの私は最初は流し読みだったが、1/3を過ぎて事件が動き出してからすっかり一気読み。主人公の凛が目覚めると拘束され、見知らぬ男性と共に監禁されて、目の前には死体という設定がまるで『ソウ』みたいで不謹慎ながらワクワク。誰の死体か、なぜ二人がターゲットなのか、凛の謎のフォロワーに助けられながら解明していく2人。政治的には真逆の団体に席を置き、お互いに対立する2人とフォロワー"ちりめん"が解き明かす真相はなかなか衝撃。伏線もキッチリ回収され前向きな2人の今後も感じさせるラストが満足度高。

2022/04/13

さやなか

神とは誰か?さざなみは何の比喩?と思いながら読む。物語は政治色の濃い展開に、若干ミステリ色が薄い気がしたけれど、なかなかどうして、著者の当時(2019年)の政治体制に対する皮肉やこうあるべきではないのか?と言う、ちょっと怒りも感じられる(私的)。政治運動と言えば昔の「学生デモ」や「内ゲバ」なんて言葉を思い出したが本書は「ネトウヨ」や「ブサヨ」とかだのネットスラングが飛び交うのも現代のネット社会における皮肉にも感じられた。言論の自由?どこまでが自由なの?とね。とにかくこの著者の描く犯人は憎めない。

2022/04/07

カノコ

死体のある部屋に閉じ込められた、対立する政治団体に所属する男女。彼らは密室から脱出できるのか。冒頭から政治要素がてんこ盛り。右派左派双方の意見を描いているものの、どうしても偏りを感じた。某有名映画を想起させられる設定には惹かれるものがあったので読み進めたが、そうでなかったら早々にギブアップしていたかもしれない。展開の進め方、犯人の正体や死体周りの真相は面白く、ミステリとしては満足。それだけに、現代政治要素がミステリ部分と本質的に繋がらず、読者を敬遠させる要素にしかなっていないような気がして勿体なく感じた。

2024/01/06

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