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デッドライン (新潮文庫)

デッドライン (新潮文庫)

デッドライン (新潮文庫)

作家
千葉雅也
出版社
新潮社
発売日
2022-08-29
ISBN
9784101041612
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デッドライン (新潮文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

主人公は暮らしていくのに充分な経済力も、大学院に通うだけの高度な学力も持ちながら、空虚に見える。空洞を埋めるように哲学を研究し、男性と逢瀬を重ねる。自分も、自分以外の世界とも、距離があって他人事みたいだ。わたしもそんな感覚があった時期があるので書くのだが、こういう人は生きていくのがきついはず。切実さと無縁のようでいて、切実な衝動に突き動かされて書かれた小説のようにわたしには思えた。

2022/08/31

ナマアタタカイカタタタキキ

外側にある他者を自分自身の一要素として取り入れるのではない。その近くにある「誰か」になっていく、「何か」になっていく。その誰かや何かは自分自身と比較してずっと大きな存在かもしれない。その場合は「取り込まれる」といった表現が相応しいだろうか。確かに、小説を読むという行為にもそういった一面がある。それを欲するがために本を手に取るのかと言われると私は当てはまらないが、少なからずそういった享楽があることは理解できる。“──僕の眼差しはカーブする。それどころかカーブしすぎて引き返し、眼差しは僕自身へ戻って→

2023/03/10

kieth文

初め、ヘビーな描写に怯んで本を閉じてしまった。でもそれを超えると毎日がツブサに新鮮で面白くて引き込まれた。後半、修論に行き詰まり“デッドライン“が迫り、そのテーマを自分に置き換えてなおさら難しい。“僕の場合、潜在的に女性になっていて、動物的男性に愛されたいのだが、だがまた、僕自身がその動物的男性のようになりたい、という欲望がある、、、“p.149 初めて読んだ時とは違った印象で読了した。自分に誠実に生きようとして苦しそうで、また自負もある。千葉雅也さんへの肯定感が増した。 また別の作品も読んでみたい。

2023/07/31

rors(セナ)

読み初めに、物語を追うように読んでいてこの世界観に入りにくいなと感じたんだけど、やたら頭の中に映像が浮かぶ小説だと思ったので、映画を見るようにちょっと遠くから眺めるように読んだ。面白い!! 哲学の部分は完全に振り落とされ、わからなかったけどわからないままに見るように読む。こんな小説、初めて読んだ。素晴らしい読書体験だった。著者の他の小説も読みたい。

2022/10/07

tomoka

哲学的に考えるって興味深いけど、結局、難しくて答えが出てこない気がする。

2022/09/06

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