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惜しみなく愛は奪う (新潮文庫 あ 2-3)

惜しみなく愛は奪う (新潮文庫 あ 2-3)

惜しみなく愛は奪う (新潮文庫 あ 2-3)

作家
有島武郎
出版社
新潮社
発売日
1955-01-01
ISBN
9784101042039
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惜しみなく愛は奪う (新潮文庫 あ 2-3) / 感想・レビュー

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冬見

中盤まではなかなか内容を飲み込めず何度も読み返し、整理しながら読み進めた。この分量で3日かけたのは久しぶり。「愛」という言葉が与えられ、カナリヤの喩えが呈示されてからは一気に。「愛の表現は惜しみなく与えるだろう。然し愛の本体は惜しみなく奪うものだ。」ああ、そういうことだったのか。今ここから見れば、この本はなんと暗示的な一冊だろう。「思想は一つの実行である。私はそれを忘れてはならない。」この一文を見た瞬間、震えが走った。まるで呪いだ。鋭い理智が、頑なで偏った誠実が、彼を死へ誘った。そう思えてならない。

2017/12/05

コスモス

彼が恋人と自殺したことを知ったときはなんで?と思った。けれど、禁欲的なキリスト教の生き方ではなく、彼の言う"個性"に従って生きるべきだという考えをこの本で知ったことで、少しだけその理由が理解できたかも。彼の考えに完全に賛成はできないけれど、文章は美しかった。

2022/01/18

里馬

答えの無い問いほど面白いものはない。有島武郎版『人生論』はある解を提示しつつも悩ませ俯かせる。「凡てのよきものの上に饒かなる幸あれ。」

2011/02/06

mkn 14th

素晴らしい本だった。人間の「本能」についての深い考察だった。有島が言う所の「愛」は、人間の本能であって私の普段の生活にも「愛」を見いだすことができる、非常に一般的な話をしているようにも思える。とても共感できるし、「奪う」という言葉のニュアンス、すなわち苦しさだったり辛さだったりするもの、も実に納得できるものだった。何度でも読みたい。素晴らしい良書だった。

2016/01/14

猫のヒゲ

認識者・行為者が自分である限り、総て自身のためのものだ。

2009/03/10

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