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鏡子の家 (新潮文庫)

鏡子の家 (新潮文庫)

鏡子の家 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
1964-10-07
ISBN
9784101050065
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鏡子の家 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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優希

生の軌跡を退廃の時代の中で浮き彫りにしているようでした。他人の干渉を許さないストイックな4人の美の追求者たちは折々サロンを訪れる。そのときだけは全ての呪縛から解放されるように見ました。自らを解き放つことで本来の自己に戻っていたのだと思います。言うまでもなく、4人は三島の持つコンプレックスの体現であり、そこに自分の理想を掲げあげたような気がしてなりません。それぞれが滅び行く中で、ただ1人が残されたのが不思議でした。虚無の中にいたはずなのに、一輪の花によって救われるのが印象的です。

2016/12/17

遥かなる想い

三島由紀夫は、本当に名門の資産家の令嬢と,筋肉質の男性を登場させるのが好きである。本書は、さらに貿易会社のエリート、日本画家、美貌の無名俳優などを登場させ、複雑に対立させていく。このあたりは、小池真理子へも影響を与えたのでは?

2010/06/12

青蓮

名門の資産家の令嬢である鏡子の家に集まる4人の青年達。エリート社員の清一郎、拳闘選手である峻吉、日本画家の夏雄、美貌の無名俳優の収。宿命的なニヒリズムの中にあっても前半は彼等の順風満帆な生の奇跡を描くが、後半はその挫折と破滅を描く。面白くて一気読みでした。登場人物達はまんま三島由紀夫の分身で、彼のコンプレックスが見え隠れするのが興味深い。唯一、夏雄だけが一輪の水仙で虚無から救われたのが印象的。本作を読んである時代の終焉を見た気がしました。

2017/07/05

ゆいまある

これ嫌い。三島の分身のような4人の青年が出てくる。他人にどう見られているか異常に気にしまくってる自意識過剰な人物がいて、キモイ。そんなことばっかり考えてたら苦しくなって自殺するよ。ああ、死んだんだった。後半は一転、それぞれが破滅していく。その過程が中2病の自殺願望、破滅願望剥き出しで読んでて恥ずかしいというか、嘘っぽいというか、あんたアホちゃうんと私の中のおばさんが言ってるっつーか。アレね、理想の男性像が曖昧なままだから、やたら筋肉鍛えたり、強い男性像を皇軍に投影したり、自信がなくて不安なのね。不快だった

2020/12/31

ヴェネツィア

この作品は失敗作との評もあるのだが、いかにも三島らしさが随所にあふれていて、小説の楽しみを存分に味わえる。 ここでは、「美」への傾斜を観念的にではなく描き出しているのである。 後年の『豊饒の海』を予告するかのような要素もまた多い。

2012/02/08

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