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潮騒 (新潮文庫)

潮騒 (新潮文庫)

潮騒 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2005-10-01
ISBN
9784101050072
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潮騒 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

再読。三島の作品群の中では異彩をはなっている。まず、物語の舞台に伊勢湾に浮かぶ歌島が選ばれているが、都市の文学である三島からすれば、異例のこと。次いでは、三島独特の修辞が、ここにはほとんど見られないこと。他の作品では、登場人物たちの微細な心理の綾が華麗な喩法をともなって描かれていくのだが、ここにはそれがない。ここにあるのは、きわめて単純明快な心理であり、行動である。特に主人公の新治において、それが顕著だ。三島の好きな「アポロン的」な男性像である。最後の1文だけが、かすかに三島らしいシニシズムを帯びている。

2012/07/23

読み進めるうちに新治がとても魅力的で素敵でした。寡黙なところ、仕事熱心なところ、今の若者にはあまり見られない(?)良い男です。終始、二人はロミオとジュリエットのようになってしまうのではないか?頼むからその結末はやめてくれと願いながら進めました。最後は良かったです^^しかし、ページ数が少ないのに読むのに時間がかかりました。というかあまりに文体が綺麗なので、一字一句噛み締めないと勿体無い気がしたから?でしょうか。三島先生は本当に日本語の美しさが際立ちます。

2013/12/01

青乃108号

一昔前の百恵.友和の映画は観てはいないが当時あまりに有名であって、その為本作を手にするのにある種の気恥ずかしさを感じたのは俺だけだろうか。しかし生きてるうちには読んでおきたい。読んでみた。意外な程に平易な言葉で綴られた物語は読みやすく、主役たる新治も無垢な若者で感情移入しやすい。初江の純潔、海女の女たちの人間らしさ、どれをとっても好ましく思える。物語も落ち着くべきところに完璧に着地し、読後は非常に爽やかである。

2021/07/27

ehirano1

大作家によるBoy meets girl小説。他作とは打って変わった方向性に驚く、しかし読みやすいwww。共同体を介した日本の古き良き(?!)価値観の幾つかが後ろに見え隠れするように感じました。

2024/09/07

旅するランナー

島民・漁民の素朴な生活・風習、若いふたりの純朴な恋心・若さゆえの不安・未来への希望。それらを三島流に文学的分析・表現し、見事に超一流の小説に仕上げている。すごい作品。「ダフニスとクロエ」を下敷きにしているらしいです。舞台である三重県鳥羽湾の神島には、いつか旅してみたいです。

2021/02/14

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