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岬にての物語 (新潮文庫)

岬にての物語 (新潮文庫)

岬にての物語 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2005-12-01
ISBN
9784101050263
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岬にての物語 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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榊原 香織

短編集、主に若書き。 表題作(勤労動員の寮で書いた)は煌びやかでありながらかなり衝撃的。言葉使いに酔ってる感はありますが、なかなかすごいと思います。子供の経験としては非常にヘビぃ。後に性格悪くなること必須。 あと知ってる場所関連で、大島舞台だったり、下田の城山(紫陽花祭りによく行きました)の別荘奇談など

2022/10/24

i-miya

2013.11.23(11/23)(初読)三島由紀夫著。 11/22 (カバー) 夢想好きの少年、岬の廃屋で出会う若い男女。 二人、恩寵としての死。 生まれてすぐに母から離され祖母と住む幼年時代『椅子』。 (解説=渡辺広士) 三島は何を論ずるにも、その死から遡って照射するという取り扱いを受けることが多くなった。 三島=戦中と戦後、十代から二十代、現実離れしたロマン主義的夢想。 

2013/11/23

優希

美しい世界が広がる短編集でした。音楽、愛など三島文学の精神を感じさせる物語ばかりです。遺作のつもりで書かれた『岬にての物語』は幻想的な名作だと思いました。ダイレクトに世界が伝わるのみならず、三島文学の強い色彩が出ているからこその魅力があるのです。

2023/11/30

Gotoran

三島、20~40歳にかけての短編、5つの既刊の新潮文庫に収録されなかった13の小品を収録。冒頭の「苧菟と耶蘇」は、現実を知らない少年の夢想で旧約雅歌や中世聖人伝、エジプトの古代物語のようなこの世ではない物語。次に表題の『岬にての物語』では、三島自身の明晰な自己省察を垣間見ることができる。その他では、見詰める目と愛の不能、即ち意識と行為の絶対的な溝が主題の「月澹荘綺譚」、醜と隣り合わせて成り立つ美を感じさせてくれた「志賀寺上人の恋」が印象深かった。

2021/02/24

メタボン

☆☆☆☆ 難解な作品もあったが、多くは三島らしい美学、豊饒な言葉を感じられる珠玉のような短編集だった。貧乏で病弱な娘と兄が結託して父を殺害する「水音」、視るだけの存在の侯爵の行為の報いで白痴の女に殺される「月澹荘奇譚」、ストーカーのような40女の死「牝犬」、男の死とともに女の首元に表れたイニシャル「頭文字」など、「死」を題材にした作品に特に魅かれた。

2019/05/09

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