小説家の休暇 (新潮文庫)
小説家の休暇 (新潮文庫) / 感想・レビュー
優希
三島文学の創造の核となる評論であることがわかります。難解さもありますが、小説家であり戯曲家でもある三島を形作る重要な要素のように思えました。
2019/04/05
Gotoran
三島30歳前後時に日記形式の体裁で著わされた評論と随筆、全10篇を収録。天候、私的な日常の記述、時事は少なく、読書感想、観劇評、随筆や芸術観が主体で、更に日本文化論も展開している。深い考察と表現力に富んだ文体に感嘆。小説論、小説を生む過程についての記述が興味深かった。太宰論、川端論も面白かった。晩年の三島の死生観や美意識、政治観など、精神史の断面を知る上での手掛かりとなりうる書に他ならない。
2021/06/26
優希
再読です。三島が文学を生み出す核となる評論と言えますね。批評眼で過去から未来までの日本を見つめている。考え、憂いが創作に繋がるもとになる要素が伝わってきました。
2023/12/02
NICKNAME
小説と違い読み終わるのにかなり時間が掛かってしまった。最初の三島自身の日記こそ最も難しかったと思う。常に哲学的、理論的に物事を考えている人のであったという印象であるがかなり疲れるものだろう。また西洋文化・文学についてもかなりの博識ぶりは改めて感心しました。未完に終わったとされる日本文学少史はその分野に非常に疎い自分にとってはとても勉強になった。途中退屈になってしまったが読み終わってみて良い読書であったと思う。自分自身にもっと知識や明晰な頭脳があれば更に楽しむことが出来たのだろうが・・・
2022/05/09
コージー
★★☆☆☆三島由紀夫の評論10編。小説、戯曲、文学史などを主題とする。テーマがテーマだけに、やけに小難しい内容となっている。ただ、三島由紀夫の小説の作り方を紹介している『私の小説の方法』や、川端康成の人となりを書いた『永遠の旅人』は非常に興味深かった。
2022/12/31
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