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手長姫 英霊の声 1938 -1966 (新潮文庫)

手長姫 英霊の声 1938 -1966 (新潮文庫)

手長姫 英霊の声 1938 -1966 (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2020-10-28
ISBN
9784101050393
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手長姫 英霊の声 1938 -1966 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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あすなろ

三島氏が13歳にて書いた酸模から始まる、高校時代に読み耽った三島氏新潮文庫未収録短編から始まるこの一冊。たった18頁にて三島氏ならではの独特の比喩に魅了される。澄み切って湖底の砂が数えられるような、清さ。この一冊は、三島氏の年代別の新潮文庫未収録短編が順に編まれた一冊。久しぶりに浸りました。来年は少しずつ再読していこうかな、三島文学。高校時代とは違って今だから得られるものがあるかもしれないと思った一冊。特に巻頭だからか、上述の酸模にはやられました。そして、三島氏の変遷を辿っていける貴重な一冊でもあります

2020/12/31

佐島楓

13歳のときに書かれた小説「酸模(すかんぽう)」。高らかに若さをうたい上げる、一編の美しい詩のような作品。その後書かれる「家族合せ」「手長姫」などに比べると明らかに稚いのだが、それが一瞬の尊さをみせる。その後は年代順にテクニカルになっていくのがありありとわかり、「英霊の声」で閉じる構成が何とも言えない。

2021/03/20

優希

『酸模」を書いたのが13歳というだけで驚かされました。その後も年代別に、未発表だった作品がおさめられています。それらの色彩の贅沢さが魅力でしょうか。

2021/07/17

HANA

13歳から41歳まで、10代から40代のそれぞれの時期に書かれた短編を収録。まずは冒頭の「酸模」に打ちのめされる。13歳でこの文章が書けるというのは才能という言葉じゃいい表せない。同時にそこに存在する人生に対するロマンティズムは41歳の「英霊の声」にある英霊の行動をロマンティズムで理解しようとする部分にも通じているように思えて、本書一冊で何となく三島文学に通底するものに触れられるような気がする。読みたかった「英霊の声」は理性は兎も角、感情では身震いする出来。ただ怪談読みとして面白かったのは「切符」だけど。

2020/11/17

こばまり

公威少年13歳の処女作に始まり、年代を追って多彩な作品に次々と触れるのはにょきにょき育つ樹木を見上げるようで清々しい。最後の『英霊の声』で笑顔も引っ込む寸法だ。保坂正康氏の、時代の証人ではなく自ら時代の証にという解説が大いに腑に落ちた。

2020/12/05

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