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鏡子の家 (新潮文庫 み 3-6)

鏡子の家 (新潮文庫 み 3-6)

鏡子の家 (新潮文庫 み 3-6)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2021-02-25
ISBN
9784101050515
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鏡子の家 (新潮文庫 み 3-6) / 感想・レビュー

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ぐうぐう

『鏡子の家』の不幸は『金閣寺』のあとに発表されたことかもしれない。小説家としての才能をこれでもかと見せ付けた『金閣寺』の次に向かう長編への強い意気込みとは裏腹に、『鏡子の家』の評価は低く、当時三島は落ち込んだというが、そもそも「『金閣寺』で個人の小説を書いたから、次は時代の小説を書かうと思ふ」と三島自身が述べているように、『鏡子の家』が『金閣寺』の反動の産物であることをまずは理解しないといけないのだろう。(つづく)

2023/06/06

NICKNAME

以前読んだ禁色に続き、非常に長い作品であった。この作品は一応要になるキャラクターがありながら、その他数名のキャラクターが関わり合いながらその時々それぞれ主人公になるという形式で三島作品としては異例ではないかと思う。悲劇的な結末に終わるキャラクターが主であるがその他も結局なんだかスッキリしないという感じである。最初の2/3程度までは正直退屈であったが終わりに向けて多少引き込まれて入って読むスピードも上がりました。三島作品としては傑作とは言えないのではないかと思う。

2022/02/19

コージー

★★★☆☆

2024/01/10

ルマンド

峻吉、収、夏雄、清一郎という作中人物達各々の性格、行動、辿る経過というモノが、「作者の三島自身がその裡に秘めていた“多面性”」を反映し、象徴しているように思えた。その“多面性”を半ば鏡子に重ねながら見詰めて綴っていたのではないか。 作中世界は「1954年から1956年」。そして作品が著された時期は「1958年から1959年」。或いは三島は、自身とほぼ同世代から少し若い世代の青年達を一群の主要視点人物に据えながら、「自身の人生が在った時代」とか「自身の青年期」を纏めようとしていたのかもしれない。

2022/09/25

梅崎 幸吉

この著作は彼の哲学的考察文学として傑作の内の一つである。 ただ、彼自身は自我を虚無化する事で締めくくる。 彼は文学を通して「自己認識」の探究をしていた。 最後の著作「豊饒の海」で彼は「虚無」を体験し、全ては白紙となった、と。 彼自身が「虚無的世界観」を打破し得なかったことは残念でもあるが、今日に於いてもこの状況は何ら変わってはいない。 唯一、小林秀雄のみが直感的意志を通して更なる「未知の世界」を暗示したのみである。

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