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美徳のよろめき (新潮文庫)

美徳のよろめき (新潮文庫)

美徳のよろめき (新潮文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
新潮社
発売日
2021-10-19
ISBN
9784101050539
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美徳のよろめき (新潮文庫) / 感想・レビュー

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Roko

この小説が発表されたのが昭和32年(1957年)、当時たいへん評判になって「よろめきドラマ」という流行語ができたほどだったそうです。昼メロのはしりでもあるこの小説、世間の評判は高かったけれど、当時の女流作家たちからは「現実感がない」と不評だったというのはよくわかります。 三島由紀夫は一般受けを狙ってこの作品を書いたと言っていますけど、彼自身の心のよろめきもこの作品の中に反映されているような気がしてならないのです。

2023/12/06

金吾

身も蓋もない話をきれいに書いており、よろめいていく状態の表現を楽しみました。夫婦というのは何なのかなと思いました。

2024/01/29

Kepeta

不倫という題材を取りつつも、バレるんじゃないかとか痴話喧嘩になるんじゃないかとかの外面的事件は起こらず、起こったとしても節子ひとりの身にしか降りかからない。三島由紀夫の普遍のテーマである「行動と認識の相剋」という観点では、一貫して節子個人の認識のみで話が終始するのが面白かった。作中で美徳美徳と言われてもいまいちそれが何を指すのかピンと来なかったが、美徳=認識と解釈すると、行動によって認識が揺らぐので美徳のよろめきという事かと捉えた。節子以外の人物描写が浮気相手の土屋ですら陽炎のように曖昧なのが耽美です。

2022/06/01

ふくしんづけ

〈人間が恋しいなどと思ったのは嘘だったのだ。何か小さな、一つの新鮮な幻影が欲しかったのだ。〉それはたしかに、三島を読むときそう感じていることであった。そして、自分自身にそういうところがあるのだと、認めざるを得ない。暴かれていることを。〈節子は道徳的な恋愛、空想上の恋愛を始めようと思ったのである。〉〈どんな邪悪な心も心に留まる限りは、美徳の領域に属している、と節子は考えていた。〉元はそんな遊戯であったような、どこかの舞台に立っているのだと言い聞かせていたような、そういう感じもする。

2022/05/10

ひと

生まれもしつけもいい節子夫人が同い年の青年と不倫の関係になっていく話しですが、耽美主義というんですかね、官能とか肉欲とか快楽の内容が多くてまるで官能小説みたいだなと感じました。

2022/09/25

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