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リア家の人々 (新潮文庫 は 15-8)

リア家の人々 (新潮文庫 は 15-8)

リア家の人々 (新潮文庫 は 15-8)

作家
橋本治
出版社
新潮社
発売日
2012-12-24
ISBN
9784101054186
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リア家の人々 (新潮文庫 は 15-8) / 感想・レビュー

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かふ

シェイクスピア『リア王』を戦後の日本に重ねた昭和時代小説。『巡礼』『橋』と昭和三部作と言われるらしい。一番最後が『リア家の人々』。橋本治が昭和を振り返るという平成時代。前の2つの作品は重要度高そう。これはまとめに入っているというか、時代を俯瞰した記述だからか、世相を説明しすぎて物語はあまり入ってこない。シェイクスピア『リア王』との違いは、父親の権力が弱まっているところか。以下https://note.com/aoyadokari/n/n07e170a8dfc0

2021/10/22

ソングライン

戦前文部省の高官の地位にいた主人公文三は戦後、公職を追われます。3人の娘と妻、困窮と苦汁の戦後、やがて公職に復帰するも、愛する妻を癌で亡くし、生きる目的を仕事にも家庭にも持つことができなくなる文三。上の二人の娘への冷めた愛情と小さい時、自分を無心に慕ってくれた末娘への偏愛。作者は戦後から復興する日本の中で、次第に薄れていく家長制度とその愛情が上手く表現できず、孤立していく父の姿を描いていきます。妻の一周忌に再婚宣言をする不器用さと末娘の将来のため、家から送り出す静かな愛情に共感しました。

2019/09/24

...

タイトルが「リア家の人々」であることも関係あるかもしれませんが、王である父の話ではなく、その周りの人々の(つまりは娘の)話でした。「巡礼」もそうでしたが、この作者の冷徹な人間観察力というか、誰に対しても容赦無い感じ、すさまじいです。生きているだけで人間何かしらやらかしてるような気がしてくる。昭和の知識があったなら細かいところまで読み込めたんだろうなと思います。

2013/05/05

れみ

橋本治さんは、古典文学や古典芸能の解説本をいくつか読んだことがありましたが、小説は初めて読みました。家庭の中のことや世のなかの動きを行ったり来たり、過去と現在を行ったり来たり…、という感じで物語が進むので、多少「ん?いまどこ…?」というところもありましたが、確かな文章力に概ね安心して読み進めることができました。ただ、シェイクスピアの「リア王」を王と三人の娘が出てくるお話で黒沢明監督の「乱」のもとになったお話、ということしか知らないので、どのくらいリア王的なのかが私には判断できないのですが…(^^ゞ

2013/02/28

choike-voike

うーむ。何と感想を述べたら良いか分からない。癌で主婦を失った、父と3人の娘の家族の物語。私の両親がちょうど次女の織江と同年くらいで、父・文三は祖父世代よりちょっと上くらいか。祖父たちの生きたのはそういう時代で、そういう思想や考え方を持っていたのが、その頃の日本だったのだな…と、肯定するでなし、否定するでなし、一々「そうだったんですね」と登場人物を受け止め続けた。確かに本作の主役は「昭和」だったようだ。

2013/02/22

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