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家 下 改版 (新潮文庫 し 2-5)

家 下 改版 (新潮文庫 し 2-5)

家 下 改版 (新潮文庫 し 2-5)

作家
島崎藤村
出版社
新潮社
発売日
1968-04-01
ISBN
9784101055060
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家 下 改版 (新潮文庫 し 2-5) / 感想・レビュー

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優希

時代は新しくなりつつも、重圧と涸渇に苦しむ姿が刺さります。頽廃した血、病、放蕩。これでもかというくらいの堕落が襲いかかるのに、心が騒ぐように感じました。味わい深さと同時に苦しみも感じさせる物語です。

2018/11/15

モリータ

文体にいちがいに古いとは言い切れなさそうな部分がある。これはもう少しよく知りたい。藤村自身の前後の話(『春』・『新生』)はもちろんのこと、高校・大学と二度挫折した「夜明け前」を読みたいと思う。ものの考え方とか心の不安定さに親しみを覚えて、飽きない。

2013/08/16

ムー

家を守るのは大変である。森彦が三吉に巻末の方で言われる儲けるより家の為に仕事をしてきた,そんな人生、親族を守ることに全てを尽くしてきた、三吉も同じだが家の歴史は色んな人が生まれ又亡くなっていく、胸に手を当てて考えさせられる素晴らしい作品でした。又、藤村の素晴らしさも同時に感じました。

2019/02/12

縁川央

没落していくのに、だれもがこの家にすがりついている。金をせびるだけで結局何も成功しない実などを見捨てたりしないで、三吉は自分が稼ぎ頭だから家を支えないといけない、みたいな感覚がまだまだ生き残っていた時代のはなし。いっそのこと切り捨てたら誰も彼も楽だったのかもしれない。家の位とかプライドとか捨ててしまえたら良かったのだろう。私は家なんかに縛られたくない。それはともかく、その実体験、半生をリアルに小説に描くのは正気とは思えないし、島崎藤村のことを調べるうちにだいぶやばいやつだと思い始めた。興味深い作家だ。

2021/04/09

y_e_d

実に味わい深い物語で、1世紀以上読み継がれる大家という畏敬が先入観としてあるにしても、やはり最近の作家とは奥行き感がまるで違う。現代仮名使いに改めて気安く読める環境に今更ながら感謝したい気持ち。旧家のプライドが男達を自滅に導き、女を深い沼から抜けられなくする様が、誇張なく落ち着いた筆致で表現され、何とも言えない読後感に包まれる。抑揚がなく刺激がなくつまらないと思う人もいるかもしれないが、自分はこの炙り出しのような表現は好みですね。久々に「破戒」も読んでみるか・・・

2018/02/28

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