幸福な家族 (新潮文庫 む 1-8)
幸福な家族 (新潮文庫 む 1-8) / 感想・レビュー
冬見
あ、と思ったときにはぽろぽろと涙が溢れていて、幸福な涙に、泣きながら笑った。物語が始まって2ページ目でくすりと笑い、そんなことが以降何度も。軽妙なやりとりが心地よく、するすると読み進めた。「幸福になってほしい」と、物語の誰もが思っていた。それを「綺麗事だ」「理想論だ」なんて笑えない。そうであってほしいと祈り、そうなりたいと心から願える作品だった。とても気持ちが好い。家族を取り扱った作品は苦手だけど、この作品は大好きだ。久しぶりに結婚に対して肯定的な気持ちが湧いた。
2017/12/10
湖都
ある1つの幸福な家族の物語。年頃の兄妹がそれぞれ恋をして、その恋を家族ぐるみで纏めて結婚が決まり、家族が増えて一層幸せだねという粗筋なのだが、物語の最初から滲み出る幸福感がすごい。毎朝娘の絵を描くことを楽しみにし過ぎる父、兄を小さな子供のように心配する母、妹の威を借る兄、兄の縁談を纏めに走る妹…。軽口を叩きあい、それでいてふとした拍子に涙が出そうな良いことを言う。純文学なのに軽くて読みやすくて、なんてことない筋書きでどこが良いのか上手く言えないけど、なんだか暖かい物語だった。
2019/08/14
双海(ふたみ)
こうも巧く会話を多用するのは武者さんの得意技だなぁ・・・。
2014/07/26
kanako
最後までしあわせすぎる作品でした。本当に幸福な家族で心底羨ましくて、お手本にしたくなります。綾ちゃんが本当にいい娘。
2011/09/02
ひー
幸福な家族。武者小路先生は本当に文章が美しい
2020/07/06
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