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敦煌 (新潮文庫)

敦煌 (新潮文庫)

敦煌 (新潮文庫)

作家
井上靖
出版社
新潮社
発売日
1965-06-30
ISBN
9784101063041
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敦煌 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

高校生の時以来の再読。あの頃は井上靖の『敦煌』や『楼蘭』、そしてヘディンの西域紀行に耽溺していた。西域の辺境にロマネスクなものを感じていたのだ。さて今回、久しぶりに再読してみると、残念ながらかつての興奮が甦ってこない。中島敦や、あるいは司馬遼太郎に比しても冗長な感じが否めない。あの西域特有の乾いた感じがしないのだ。風土感を作品に反映するのは極めて難しい。それを承知で言えば、言葉の背後にある王朝史は整数論的であり、美しい。それにしても、情念が前面に出てきてもよかったのではないか。

2018/03/28

三代目 びあだいまおう

『人間万事塞翁が馬』主人公趙行徳の行動に終始抱いた思い。科挙の最終試験を微睡みで逃した行徳。たそがれ途方にくれる道筋で西夏の女を目にする。西夏への思い、衰退する我が国土への思い、自然行徳は未来への戦いに没入する。自身の希望に絶望を覚えた行徳。死すら恐れず戦いに没頭。ふとした時仏教の教えに触れ膨大な経典を宝ととらえる。失ってはならないと奔走する行徳。千年の後、偶然掘り出された膨大な経典。仏教の教えの原点とも言える至宝の発見に世は歓喜。行く末の至宝を守った男、なるほどこういう紡ぎ方ですかと、著者に感服‼️🙇

2020/04/21

ehirano1

砂漠には行ったことはないのですが、終始砂漠の熱気と熱風が伝わってくるような感じがしました。そう、読んでいてなんだかジワジワと暑いのです。おそらく、趙行徳もこの砂漠の熱気と熱風に導かれ(試験に失敗したのも偶然ではなく必然?)、そして砂漠が織りなす歴史の一部分になる運命だったのではと思っても良いのではないかと思いました。

2017/08/05

遥かなる想い

正直入り込めなかった。雄大な敦煌の話は私にはスケールが大きすぎたのかもしれない。

2010/08/13

hit4papa

11世紀の宗。居眠りで登用試験を棒にふった青年が、西夏文字に出会ったことから波瀾万丈の生涯を送る物語。漢人でありながら西夏の軍隊として戦いに身を投じる武将、悲運に見舞われた回鶻の王女、盗賊紛いの商人となった没落した王族の末裔らが絡み合いながら、戦乱の時代を駆け抜けて行きます。20世紀に敦煌で発見された万巻の経典から、それにまつわる物語を紡ぎ出す著者の想像力・創造力には脱帽せざるを得ません。登場人物らに交わされる会話も大陸と時代の空気感がたっぷりです。中国のこの時代の知識がなくともロマンに浸れる名作です。

2022/12/26

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