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火宅の人(上) (新潮文庫)

火宅の人(上) (新潮文庫)

火宅の人(上) (新潮文庫)

作家
檀一雄
出版社
新潮社
発売日
1981-07-28
ISBN
9784101064031
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火宅の人(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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青蓮

檀一雄の自伝的小説。妻や子供達を放ったらかして愛人を作り、自由気ままな生活。けれどもその内実は何かに突き動かされるように只管狂い回り、身を焼かれるようで、まるで落ち着かない。彼の放蕩、濫費に堪えかねて妻も一度家を出て行ってしまう一幕も。そんな駄目な夫・父親である一雄だけれどふと妻や子供達に見せる愛情や優しさ故に何だか憎めない。内心では家族のことを深く思いやっているのに上手く行動に結び付けられないところが不器用で彼の不思議な魅力となって映る。可愛い人だと思うけれど身内にこんな男がいたらたまったもんじゃない。

2018/07/08

じいじ

その理由は分かりませんが、作家・檀一雄の小説は初読みです。先日、沢木耕太郎が描いた『檀』を読んだときに、「この人に、これ以上の女房はいないだろう」と思いました。その本人が書いた私小説を読みたくなった。この主人公・檀一雄は、よく言えば「自由奔放に暮らしてきた」のだろうが、家族はさぞかし苦労したと思う。好き放題、やりたい放題のご自身が書いた自叙伝は、想像以上に破天荒ですが面白いです。一気に下巻へ…。

2023/10/02

Tsuyoshi

作者の自伝的小説。妻や子供たちを放置し愛人や酒に溺れるなど享楽的な生活を送りながらも終始落ち着きのない主人公の一雄。そんな自分の行動を「有り余る体力の為」と分析してみたり子供たちや世の中に対する厭世的な物の見方も何だか憎めない不思議な魅力があって面白く、案外人間て縛りや枠がなければ大小違えどこんなもんではないかとさえ思わせてくれる。下巻へ続きます。

2018/06/01

おいしゃん

【読売文学賞作品】妻と子の世話を放り出し、色に溺れ、本能のまま彷徨う男の物語。しかし男の弱さが随所に現れたり、子を可愛がる姿には愛情が感じられたりと、豊かな人間味は魅力的。初めて読む檀一雄の文体も面白く好みだった。

2018/03/22

りつこ

何をぬかしやがるこの野郎!と、でもわからなくはない正直すぎるぜこの野郎!が交互に来る。弱さと強さ、身勝手さとやさしさ、まぶしいほどのエネルギーと時々垣間見える暗さ。今ならバッシングされて大変だったろうなぁ。と思うとこの時代の方がスキャンダルに寛大だったのか。あるいは男性優位が過ぎたのか。下巻へ!

2019/06/16

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