魔羅節 (新潮文庫 い 77-1)
魔羅節 (新潮文庫 い 77-1) / 感想・レビュー
★YUKA★
8編すべてに凄いタイトルがついています(○_○)本編はもちろん面白かったのですが、久世光彦による、岩井さんを娘に例えた短編小説の様なあとがきが秀逸でした。久世さんによって書かれた『品のない分、切なかった。開き直っているだけに、可憐でもあった。』まさにこの一冊を表した一文だと思います。
2016/01/10
姉勤
初読、岩井志麻子作品。著者を知ったのは、東京ローカル番組「5時に夢中!」の曜日コメンテーターとして。放送コードぎりぎり(否、アウト)の下ネタ満載のコメントをする、ケッタイなオバハン…ならば、最もエグそうなモノをと本書を手に。いや、お見それしました。表題を含む、8つの短編の題自体が伏せ字の、それぞれが明治とおぼしき岡山を舞台にした、幸福とは縁遠い、女、そして男の悲話と秘話。腥き、汚穢に塗れてのまぐわい話。それでいて上品さを何故か感じつつ、作品世界に浸かりました。
2014/07/23
メタボン
☆☆☆☆ 土俗的主題に淫猥さとホラーの要素を散りばめた作品集。岩井節満載。蛇と精液の描写が生々しい「乞食柱」。男女郎千吉の哀れさ「魔羅節」。女たちの壮絶な洞窟「きちがい日和」。正気と狂気のスイッチ「おめこ電球」。まさしく獣の交わり「金玉娘」。残虐極まりない「支那艶情」。死体との添い寝「淫売監獄」。亡妻の面影がいつまでも残る「片輪車」。
2017/09/30
nakanaka
「乞食柱」「魔羅節」「きちがい日和」「おめこ電球」「金玉娘」「支那艶情」「淫売監獄」「片輪車」 びっくりするような題名のものが幾つかあります。 手元に置いていたこの本を嫁が軽く目を通すなり「気持ち悪い!」と貶していましたが、私は必ずしもそのような感想ではありませんでした。確かに気持ち悪いと敬遠されそうな内容のものありますが世界観が独特でグイグイと引き込まれました。内容的に童話なわけはありませんが、それに似たような幻想的な世界でした。 岩井志麻子というと下品なイメージでしたが良い意味で裏切られました。
2015/09/02
マドリン
舞台は100年前の岡山。艶かしく交わる男女、禍々しい死者と生者。夢か現実かわからなくなる岩井志麻子ワールドにどっぷり浸れる短編集です。
2022/03/18
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