湿原 上巻 (新潮文庫 か 7-4)
湿原 上巻 (新潮文庫 か 7-4) / 感想・レビュー
むっち
確か30年くらい前に読んだですが、大学紛争やえん罪のどちらも、リアルな印象をもって読んだ記憶が……。再読したくなったので、手控え的に記録しておく。エッセイも少し前に読んで、その年齢に無関係な果て無き好奇心のような生活にうらやましさを感じた作者です。
kumakuma
大学紛争の狂気、冬の北海道の厳しくも美しい自然。刑務所や拘置所の人間たち。見どころやテーマが多い小説であるが、中でも主人公たちが受ける冤罪での取り調べおよび裁判の描写はおぞましい。さまざまな伏線がうまく活用され、素晴らしい捜査力でもって作り出されるごく自然な調書。実際の冤罪事件もこのように作られていったのではと思える真に迫った描写、そしてそれを覆すための長い闘いは印象的。
2015/04/10
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