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永遠の都〈7〉異郷・雨の冥府 (新潮文庫)

永遠の都〈7〉異郷・雨の冥府 (新潮文庫)

永遠の都〈7〉異郷・雨の冥府 (新潮文庫)

作家
加賀乙彦
出版社
新潮社
発売日
1997-07-30
ISBN
9784101067131
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永遠の都〈7〉異郷・雨の冥府 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

「永遠の都」の最終巻。 終戦後の日々が、哀切に 描かれる。これも大河小説の 醍醐味だろうか…悠太の 独白で広がる世界は、 終戦後の日本であり、物語の 終わりを感じる。 戦争が残したものは何だったのか。 晋介は精神を病み、時田利平死去、夏江の出産と 五郎の自殺…そして、病院は 焼け落ち、東京は廃墟と化す。だが、その子供たちは 成長し、次の時代を 築いていく…大河小説の 醍醐味を味わえる物語だった。

2014/11/07

松本直哉

あの夏の海辺からわずか十年ほどなのに、なんという運命の変転だろう。戦は終わり、殷賑を極めた時田病院は烏有に帰し、多くの人が世を去った。軍人から医者、大工から看護師、基督教徒からマルクス主義者、米国人、朝鮮人まで、あらゆる階層の人々の語りから重層的に浮かび上がるのは、永遠であるはずの都の、幻のような栄華と、廃墟の上の異郷のような街である。利平の二人の娘、初江と夏江の秘められた恋愛、期せずして二人とも父性の確かでない子を産み、彼女らが母たちを離れて海を超えて去っていくラストは、父性からの脱出であったのだろうか

2024/09/18

湖都

『永遠の都』最終巻。登場人物たちは、死に、別れ、それぞれの道を歩んでいく。特に五郎の死と遺書は、夏江夫婦だけではなく、ここまで読んできた読者をも大きく翻弄し、決別へと誘う。最後の初江・夏江姉妹の対比は見事だ。共に不義の子(はっきりとしてはいないが)を生みながら、隠し通した初江と、夫に伝えた夏江。2人とも密通の相手と死に別れた点や子供と遠く離れた点も同じだが、初江の方が賢く幸せだったのか。戦争や大病院の行く末よりも、姉妹の愛のおさめ方の方が気になる結末であった。

2017/12/18

空翼

永遠の都、全7巻ようやく読み終えました。戦前、戦中、戦後あるセレブ家族の大河ドラマ。同じ出来事がいろいろな人の視点で語られていたりして、読み応えがありました。

2014/10/20

寿里子

約3ヶ月かけて読了。久しぶりに作家力を感じたすごい大河小説だった。巻末の菅野昭正氏の解説も素晴らしかった。

2018/03/15

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