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宣告 下 (新潮文庫 か 7-16)

宣告 下 (新潮文庫 か 7-16)

宣告 下 (新潮文庫 か 7-16)

作家
加賀乙彦
出版社
新潮社
発売日
2003-03-24
ISBN
9784101067162
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宣告 下 (新潮文庫 か 7-16) / 感想・レビュー

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こばまり

読み終えた今、吸収した言葉が体中の穴から漏れ出そうな程の膨満感。そして主人公である死刑囚とペンフレンドの女学生のやり取りがハッキリ言ってキモい。「おはようマドモアゼル」とか。さて、この綿密な記録文学を以ってしても、被害者や遺族を思う時、私の心は容易に死刑廃止論に傾かないのである。

2018/02/13

gtn

死刑囚の死は「人工的状態においてしかおこらない」と著者。死期が確定していることが、死刑囚以外の者との大きな差。その恐怖に、ある者は心の病に逃げ、ある者は衝動的に暴れる。学生運動家で内ゲバを起こした唯物主義者さえも自殺してしまった。信仰で平静を保っているようにこと正田昭にも死の恐怖があった。だが、面会に来た無垢なペンフレンドにより、母を赦す余裕が生まれ、人間は楽しむために生まれてきたことを悟り、生命が永遠であること確信する。同感。他人と交わり、あわよくば他人のためになることが最高の遊楽。

2023/11/10

るか

★★★☆☆『「あす、きみとお別れしなければならなくなりました」「はい」他家雄は無表情のまま、凝っと所長を見詰めた。』著者は死刑廃止論者なのだろうが、そのイメージのみで読む小説ではない。著者は死刑廃止論を広めるという意味ではなく、楠本他家雄という男の39年間の人生を通して死刑というものについて考える機会を我々に持って欲しかったのではないだろうか。実際に拘置所で精神科医として働いていた加賀乙彦だからこそ書ける生々しさがあった。上・中・下巻に渡る長編のため、読むのにはかなり気力がいるかも。

2017/04/26

風に吹かれて

死刑は是か非か、ということは、犯罪を犯した人間と被害者や関係する人たちのことを考えると、私には簡単に判断することはできない。ただ、判決後、何年も拘置することが残酷に思える。この作品は死刑そのものを考える小説ではないが、拘置状態に置かれた人間の生涯を描きながら、人間が生きることとはどういうことかを提示したものと思える。ある死刑囚の死刑執行までの3日間を描く中に何人もの死刑囚の犯行前の生活や拘置所に関わる人々の想いや思惑も盛り込んだ骨太な人間ドラマだった。

2017/12/29

i-miya

2005.10.21 P016 おれの血を吸ひし蚊の重く飛ぶを見つ命尊し房中の冬 バッハ『ロ短調ミサ曲』2005.10.22 P209 垣内 P229 朝子 横須賀線爆破 文鳥 P238 大古場助教授 虻川教授 P246 クルト・シュナイダー 性格分類 相原教授 性格異常P276 真船教授 T大学(近木の大学) 若い男 健康そうな浅黒い肌、眼は大きくてさわやか 2005.10.24 恵津子への手紙 雷の話 

2005/10/25

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