浮沈,来訪者 (新潮文庫 B 7-2)
浮沈,来訪者 (新潮文庫 B 7-2) / 感想・レビュー
しゅんしゅん
はじめて読んだ永井荷風。戦争の時期に書かれたとは思えないような、この瀟洒でロマンチックな空気感。これが永井荷風なのかと思った。浮沈は荷風の作の中では珍しいハッピーエンドの結末だそう。波乱に富んださだ子にどうか幸せになってもらいたいと感情移入をして読み進めていたので安堵した。来訪者は嘘のような創作の話かと思ったが、これも実体験が元になっているようなので凄いなと思った。浪漫チックな雰囲気と男と女の心模様を追っていくのがなんとも愉しかった。
2021/06/20
ひなた
短編「来訪者」が目当てで借りてきた本。荒俣宏氏の師匠の平井呈一氏の犯行(?)を、平井氏の師匠の永井荷風氏が書いたもの。旧仮名遣いで読みにくいけれど、チクッと来るのが面白かった。淡々とした書きぶりから、相当なお腹立ちだったであろうことがうかがえる感じ。
2014/10/31
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