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絵描きの植田さん (新潮文庫)

絵描きの植田さん (新潮文庫)

絵描きの植田さん (新潮文庫)

作家
いしいしんじ
植田真
出版社
新潮社
発売日
2007-11-28
ISBN
9784101069265
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絵描きの植田さん (新潮文庫) / 感想・レビュー

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やすらぎ

冬に羽ばたく鳥のように、クラシカルなスケーティングは軽やかに、いしいしんじさんの物語は進む。植田真さんの描く世界観を体現するかのように。藍色の水も凍りつけば白銀に染まる。湖の向こう側は賑やかで派手な世界、こちら側は静寂を好む者の世界。双方を行き来するには、凍りついた湖面を滑るしかない。溶けてしまえばもう会えないけど、また冬が来れば会えるからと、しんと静まりかえる世界を見つめている。事故によって大きな悲しみを背負った絵描きが抱く心の景色は、メリの笑顔と眩しさによって、季節が巡るときように色合いを変えていく。

2024/02/03

❁かな❁

とっても柔らかで静かで温かい物語*大切な人と聴覚をいっぺんに失った絵描きの植田さん。少女メリとの出会いでゆっくり少しずつ心を溶かしてゆく。いしいしんじさんの作品を読むのは3作目。優しさに溢れた作品で、まるで自分自身もこの小さな村に滞在しているような気持ちになりました。真っ白な美しい雪の世界、小鳥や鹿など生き物、綺麗な花々など頭に浮かんできます。みんな温かくて、じーんとしました*いしいさんの優しい文章と植田真さんの絵がピッタリ!後半にパッと出てくる絵がとても素敵♪メリの素直さが可愛い♡心温まる素敵な作品★

2015/10/22

tokotoko

近くにないけれども、ふと!森に行きたいなぁーー!って思うこと、ありませんか?そんな時は、この本で、絵描きの植田さんの絵を見ながら、森を歩いてみませんか?可愛い友達も、渋ーーい友達も、野性的?な友達もできます。冬のオバケにもね、出会うこともできます。でもね、みんなそれぞれの事情を胸に住んでいる森ですから、そーーっと・・・入ってね!ちょっと心配が必要なシーンでは、一緒に心配してね!けど、心配の後は、あたたかい空気が待ってるからぁー!安心して訪れてください。植田さんの絵もね、じーーっくり眺めてってください。

2015/11/03

チアモン

冬の寒い時期に読めば良かった。事故で恋人と聴覚を失った絵描きの植田さん。読んでいるだけで、風景が浮かんでくる。挿絵がとても美しい。心が洗われるような素敵な本でした。

2019/08/18

紅香@本購入まであと9冊

音と大切な人をなくした絵描きの植田さんとメリの友情。。『あたしとおかあさんはまちじゅうにたたかいをいどんでるの』全身勇気、自信の塊の頼もしいメリ。この強い言葉を放つ彼女を好きにならずにいられない。真っ白な氷雪。深く閉ざされた白の世界。人々の真面目さ。懸命に暮らしてる営みがこんなにも胸に響いて暖かい。扉を開いたかのような絵に一目惚れ。自然と微笑んでしまう小さな鳥、花、そして一段と謙虚な人。慎ましくも強く刻んだリズム。世界が素敵なもので色でいっぱいなことを高らかに歌ってる。軌跡を描くスケートの絵が特に好き。

2014/11/26

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