都会の憂鬱 (新潮文庫 B 4-4)
都会の憂鬱 (新潮文庫 B 4-4) / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
幽霊坂の中ほどにある日のあたらない家に、無名の舞台女優の妻と二匹の愛犬と住む文学青年尾沢峯雄。厭離の念をつのらせる彼に約束された生活はない。毎晩遅く帰宅する妻への無関心と、ある落ちぶれた文学者への軽蔑を背景に青年の無為倦怠の日々を描く。『田園の憂鬱』の姉妹篇。 (解説頁・山本健吉)(カバーより)
2014/11/06
月
<再読> 田園の憂鬱の抒情的散文から都会の憂鬱への主人公と又その文体の変化。詩人佐藤春夫から本当の意味での小説家佐藤春夫への歩み出し。後者にとってこの小説の持つ意味は大きい。最終章の、一瞬間はじめて渚山と心のふれあうところの描き方が印象深い。姉妹作である田園の憂鬱との対比(文体と主人公の心情)も面白い。佐藤春夫の自伝的青春記。
2015/06/23
fantamys
▂▅▇█▓▒ (’ω’) ▒▓█▇▅▂と(´;Д;`)を繰り返しながら読んだ。
2015/06/18
愛敬 史
主人公たちが都会に引っ越したため、「田園の憂鬱」のような幻想的な雰囲気が薄れた感じがした。そのかわり人間の生々しい描写が増えて、エゴを深く掘り下げられている。
な
そういう生活の雰囲気が芯から感じられてとてもよかった。どうしようもなく漠然とした不安と倦怠の中で理由のわからない苛立ちだけが募っていくあの感じが心理面からリアルに描写されていた。彼らのようになるのは恐ろしかったり、なりたくもあったりする。どうなのだろうか
2024/03/05
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