アマリリス (新潮文庫 あ 29-2)
アマリリス (新潮文庫 あ 29-2) / 感想・レビュー
エドワード
言うまでもないことだが、外国へ行くと周りは異国人ばかりで緊張する。ニューヨークは人種の坩堝。アメリカ自体が移民の建国した国だ。みな故郷の国を離れ、希望を抱いてこの国へ来る。日本から来たデザイナーのぼくもその一人。しかしこの街は、自由であるが故に過酷だ。画家志望の女性が、貧困の末ヌートモデルになり、娼婦になる。アジア人や中南米人への蔑視も人間以下で慄然とする。「ジブラルタル」に「ここは地の果てよ。」という言葉が出てくるが、ある意味、ニューヨークこそ地の果てだ。それでも夢を捨て切れずに人は孤独に耐えるのだ。
2014/10/21
葉子
読んでる間ずっと感じてたこの気持ちをなんというんだろう。切ないとも違うし、もっとドライで諦めに近い感情。7編の短編は全て共通して日本からアメリカにきた「ぼく」が主人公で、出会った女性はみんな最後には姿を消してしまう。なんでこんなにごった文章がかけるんだろう。安西さんはアメリカにいる間ずっとこんな気持ちを抱いていたんだろうか。
2022/10/25
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