伊藤整詩集 (新潮文庫)
伊藤整詩集 (新潮文庫) / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
今ではあまり読まれなくなってしまった伊藤整の初期の詩集。若書きの詩が多く、恋愛をテーマにした作品などは読んでいて照れくさい気持ちになる。自分が生まれ育った北海道の町のことを描いた詩は、素朴な情感に満ちて美しく、三好達治の詩に近いものを感じた。私の好きなチェーホフのことを書いた詩が一番良かった。「いろいろな人の涙を 矛盾を 愚直を/深い感動で受け入れる。/あなたは本当に静かなおだやかな小父さんである。」(Anton Tchekhoffより)
2017/03/18
感想・レビューをもっと見る