宮沢賢治万華鏡 (新潮文庫 み 2-9)
宮沢賢治万華鏡 (新潮文庫 み 2-9) / 感想・レビュー
ポップ
本書を開き、賢治の軌跡を辿ると、万華鏡を覗いた世界が見える。絵画は[日輪と山][ミミズク]など独特の筆致が有名であるが[教材用絵画]は精巧だ。毛筆も達筆であり楷書は力強い。作曲した譜面は、政次郎宛の書簡にあるオルガンとセロの練習による成果だろう。教師の視点と現実に呼称が伝わる「イギリス海岸」、天のツェラ高原に紛れ込み胸を躍らす「インドラの網」など隠れた名作もある。2つの短編小説は、岩手の風習が物語に溶け合い、非凡な才をみる。「種山ケ原の夜」の劇作も手掛けており、詩人と童話作家にとどまらない、芸術家である。
2020/09/30
メガネねこ
★★★★☆宮沢賢治の創作を多岐に渡るジャンルで抜粋収録した本。詩や散文、童話に小説と賢治の多才ぶりが伺える。岩手県東北の土着言葉で覆われているので難解な部分もあるが、自然に入り込み鋭い感性で描写する様はやはり天才なのだろう。
2023/09/16
テツ
宮沢賢治の詩や小説ではなく、彼が描いた絵や短歌などが載せられていて賢治好きの僕にはとても面白かった。賢治の絵は可愛らしい。それについて希望や願望、幻想が多分に含まれていることは重々承知しているけれど、賢治の作品は勿論、やっぱり彼の人間性が好きだな。農民と共に生き指導し、イーハトーヴの自然と動物にまみれて生きた姿に憧れと共に若干の嫉妬も覚えつつ。賢治の享年くらいまで頑張ってみれば、僕にもイーハトーヴが見えるんだろうかと、最近考える。
2013/01/15
meg
賢治の描いた絵や短歌がカラーで数ページ載っています。知らなかった賢治に出会えます。
ぽっちん
宮沢賢治の人柄が何となく分かるかも、みたいなかんじ。しょうがないだろうけどさ、童話が途中で絶筆なやつが気になって気になって…
2012/12/11
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