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剣ヶ崎,白い罌粟 (新潮文庫 た 15-1)

剣ヶ崎,白い罌粟 (新潮文庫 た 15-1)

剣ヶ崎,白い罌粟 (新潮文庫 た 15-1)

作家
立原正秋
出版社
新潮社
発売日
1971-03-01
ISBN
9784101095011
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剣ヶ崎,白い罌粟 (新潮文庫 た 15-1) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

第55回(昭和41年)直木賞受賞の「白い罌粟」を 含む短編集である。受賞作はひどく 冷めた文体が印象的である。 串田という男の不気味な存在感が抜群で、 語り手の寺石と一緒に 躓いていく.. 得体の知れなさ、人間の怖さを冷徹な 筆致で描いている、受賞作だった。

2017/05/10

おか

「白い罌粟(けし)」は直木賞受賞作、白い罌粟の花が咲き乱れる家の主に 何故か引き寄せられる主人公、まるで麻薬に惹きつけられる様に「剣ヶ崎」は朝鮮人の父と日本人の母を持つ著者の不安定な心情をそのまま表現している「薔薇屋敷」は昭和28年頃の日本の頽廃した男達の様子を克明に描いている「薪能」と「流鏑馬」はどちらも日本古来から続く催事に絡めながら「薪能」では不義の二人が共に命を断ち「流鏑馬」では兄嫁である女が一人死を選ぶ どちらも 充足感を感じながらの死。正秋らしい流れるような文体が良かった。

2017/05/05

メタボン

☆☆☆☆☆ 5つの代表的短篇を収録。いずれ劣らぬ名品揃い。薪能を背景に没落していく旧家、手を携えて滅びに向かう従姉弟の愛を描く「薪能」。朝鮮人との混血という出自へのアイデンティティ、兄と従兄とその妹の悲劇を想い続ける「剣ケ崎」。売春を斡旋する屋敷で麻薬と女に溺れる「薔薇屋敷」。虚無的な男に惹き込まれ堕落していく中年教師を描く直木賞作品「白い罌粟」。流鏑馬をする義弟に古風な美しさを見出し純粋な愛に殉じる「流鏑馬」。鎌倉周辺を舞台に「滅びの美学」とも言ってよい世界観と、端正な文章が素晴らしい。

2022/08/17

はらぺこ

短編集。 ずっと積読本にしてたけど思い切って読んでみたら全体的に読み易かった。

2018/08/19

ムー

どれも全て良い。立原作品は好み。悲しい話が多いがどんどん入り込んでいく。素晴らしい作家だと思います。

2019/07/16

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