戦争はなかった (新潮文庫 こ 8-3)
戦争はなかった (新潮文庫 こ 8-3) / 感想・レビュー
空猫
星、筒井とで日本三大SF作家だそうだが、小松作品は殆ど未読なので読み始めた。他の二人と比べてしまうが、サイエンス部分が本格的で、社会風刺の描写が容赦ない感じがする。最初の「影が重なる時」で度肝を抜かれ「四次元ラッキョウ」で苦笑し「完全犯罪」でショートショートの真髄を垣間見、「木静かならんと欲すれど」「戦争はなかった」で日本人の「喉元過ぎれば…」的一億ぬるま湯化を愁い…。いろんな引き出しがあってどれも強烈な話ばかりで歯応えがある。読む方にも体力がいる。
2016/08/18
活字スキー
日本SFの黎明を告げた偉大なる御三家の一人、小松左京大先生による昭和中期の時代精神をひしひしと感じる12編。イマドキの理系脳ゴリゴリ系ではなく、社会風刺的な問題提起や思考実験が多めで、世代差を考慮した上で今なお読み応え十分。そして社会派の作品ばかりという訳でもなく、怪奇ホラーあり、セクシャルホラーあり、不条理コメディありと、小松大先生の博覧強記っぷりとサービス精神の旺盛さもしっかり楽しめる。
2021/06/01
gushwell
12編の短編が収められています。特に面白かったのは以下の3編。「四次元ラッキョウ」は、なぜ?に夢中になる人間の愚かさがおかしく描かれている。「青ひげと鬼」は新人類の話なんだけどその発想がすごい。「木静かならんと欲すれど……」はもうほんとマスコミってひどい! その他の作品も面白いのだけど、平成の時代に読むべきかと言われるとちょっと全肯定はできないかな。特に最後の「四月の十四日間」は途中で挫折しそうだった。「くだんのはは」は小さい頃漫画で読んで強烈な印象を受けたのを今だに覚えている。
2018/06/01
すしな
055-21.オーウェルの1984年で出てくる二重思考的な怖さはありますよね。周りの人たちは戦争があった事は知っていて知らないふりをしているのか、本当に記憶から飛んでいるのか。。それとも本当に戦争は無かったのか。。
2021/05/29
パフちゃん@かのん変更
1977.5.5
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