明治の人物誌 (新潮文庫)
明治の人物誌 (新潮文庫) / 感想・レビュー
saga
幕末・維新に興味のある自分にとって、ショートショートの雄である著者が、なぜ明治の偉人伝を書いたのか? 気になる本だった。そして読んでみて驚いたのは、著者の父が苦学し、実業家として立身する中で実際に関わった人々だったのだ。だからこそ、その誰もが人間臭さを持って描かれている。万人に知られる偉人も、本書で初めて知ることができた人物も、19世紀末から20世紀初頭の激動の時代に活躍した。そんな時代に神が遣わしたスケールの大きい人間、そんな思いで読了。
2021/05/12
Tetchy
固そうな表紙と題名で手に取るのを躊躇うには非常に勿体無い作品。星新一による明治の偉人伝記。とにかく今の政治家に幻滅している人はこれをぜひとも読んで欲しい。すごく元気が出る。
2008/09/16
KAZOO
この文庫は未読でした。10人の人物伝を書かれています。知らない人物もいましたがまさかエジソンが入っているとは思いませんでした。父親に絡んだ人物を選んで自分のおさないときなどをだぶらせて書かれています。「明治・父・アメリカ」も再読する予定ですが、このような伝記も比較的得意分野なのですね。
2015/01/29
James Hayashi
著者の父は製薬会社を創業されているが、その前には米国留学などもされ後日には政界に進出され顔が広かったようだ。その星一氏と関わりのあった人々の伝記を書き記したモノ。半分の5名は知らない人だが、野口英世、伊藤博文、エジソン、新渡戸稲造、後藤新平などと同時代人であり知り合いであることに少なからず驚かされる。杉山茂丸の記述でポーツマスでロシアから北洋漁業権を獲得し60億円の国益をもたらしたことは吉村昭著からうかがえなかった(と思う)。違った角度から違った歴史が見える。
2017/12/17
マッキー
誰もが知っている有名な人からそうでない人まで。共通点は星新一の父親である「星一」と関係があること。幼少期に波乱万丈な人生を送っていたり「秀才」とはかけ離れた生活をしていた人が立派になるまでの過程が読める。淡々としつつもときにはユーモアあふれる文体で偉人を記した本書、星新一のショートショートファンならまた違った気分で楽しめると思う。
2017/05/12
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