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不毛地帯 4 (新潮文庫 や 5-18)

不毛地帯 4 (新潮文庫 や 5-18)

不毛地帯 4 (新潮文庫 や 5-18)

作家
山崎豊子
出版社
新潮社
発売日
1983-12-01
ISBN
9784101104188
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不毛地帯 4 (新潮文庫 や 5-18) / 感想・レビュー

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James Hayashi

大まかに言ってシベリア抑留と石油採掘のためイランを舞台とした不毛地帯。まともに人が住めない地帯に軍人として、また商社マンへ転身し1つの時代を築いた壱岐正。決して素晴らしい読後感でないが、これほど重厚で2500ページもの緊張を強いられる作品が他にあろうか?軍の作戦を企てる参謀、貿易により日本の国益を考える商社マン。シビアな世界で生きる人を書くために377名に取材したという。これは昭和を代表する傑作であろうが、著者の描く男女関係は戴けない。また近畿商事の名は外国では通じない。再読であったが深い充実感を覚えた。

2017/03/17

TheWho

最終巻に入り、副社長に昇進した主人公は、イランの石油鉱区の入札を日本石油公社グループから離脱し、米国独立系掘削会社と組み単独開発に賭ける。数々の苦難を乗り越え落札、そして油田発掘成功を機に会社の新陳代謝を画し自身も辞任、シベリア抑留者の互助団体の代表に就任しシベリアに旅立つ結であった。圧倒的で言い寄れぬ想いが駆け抜ける感慨深い物語であった。私の祖父もシベリアで亡くなったが、何処の収容所であったかも不明で遺骨も無い。40年も前の小説だが、亡き作者と戦中戦後の先達に感謝を述べたい。

2016/01/16

研二

華麗なる一族と同じ経済小説。この第4巻が一番面白かった。力が衰えた経営者の引退問題やスタッフ部門とライン部門の対立などは大企業ではよくある話だと思うが、小説の中でうまく描かれていた。石油鉱区の入札についても、イラン政府の内部事情と日本国内の権力構造の問題の両方がうまく描かれていた。『華麗なる一族』よりもボリュームがあって最後まで読むのが大変だが、最後までちゃんと読めばこちらの方が面白いかもしれない。

2017/06/25

R.Hand

読み応えがありました。航空機、自動車、石油と商社の活動の裏側を見れたような気がします。これまで読んだ作者の小説から想像していたの不幸な最後をでしたが、爽やかな終わり方は意外でした。今の自衛隊のあり方も考えさせられます。(存在を批判する人もいますがもっと評価されて良いと思います)(5.0+)

2015/06/04

Kei

これも大作だった。3巻を読み終えてから期間が空いており、少し登場人物の関係等を忘れていたが、楽しめる作品であった。ひた向きで私心のない壱岐が大門に勇退を進言するシーンは本当に感動的。白い巨塔や華麗なる一族と並ぶ大作であった。

2016/10/10

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