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二つの祖国 下巻 (新潮文庫 や 5-21)

二つの祖国 下巻 (新潮文庫 や 5-21)

二つの祖国 下巻 (新潮文庫 や 5-21)

作家
山崎豊子
出版社
新潮社
発売日
1986-11-01
ISBN
9784101104218
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二つの祖国 下巻 (新潮文庫 や 5-21) / 感想・レビュー

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mariya926

戦争裁判がメインでした。私は東京裁判については今まで知らなかったので、こんな歴史的な出来事があったという事実に驚かされました。歴史の勉強もこの様な本を通してだとすんなり入ってきますね。これから未来を生かす青少年にも読んでもらいたい本です。それにしても納得出来なかったのが、賢治がエミーの様な女性と結婚したこと。頑固な性格でしなさそうなのに。小説上しょうがないのかもしれませんが、納得はできないです。

2016/07/14

zoe

遂に読了。二度と戦争を起こさないために、原子爆弾も使われないようにと、全身全霊を懸けて裁判での自分の役割を全うしようとする。権威と職権を笠に、あるべき姿を歪ませる人間、どうしようもなく価値を分かち合えない人間、永遠の別れ、やっとのことで理解し合えた弟。しかし、自分を支えてきた多くのものが失われ、遂に自らを見失ってしまう。劇中の国の指導者が責任を取ることは理解できるけれど、最後の気持ちと行動は理解を超えた。チャーリーを推すことはないけれど、真面目過ぎる人には、少しは見習ってもいいんだよと言ってあげたい。

2018/04/11

James Hayashi

傑作。下巻では亀裂の入った妻エミーとの関係、いかにも人体実験であった原爆投下、茶番の東京裁判などネガティヴな様相が進行していく中、天羽賢治の揺れ動く祖国愛が感情を揺さぶる。堅苦しい東京裁判をストーリーに乗っけているが、著者が噛み砕き解説調でわかりやすい。特に異質ながら真摯な態度を取られていたインドのパル判事、絞首刑を言い渡されたA級戦犯の様子、アメリカで生まれた梛子がアメリカの原爆投下で亡くなったことなどが印象深くの残った。最後の結末は重い。自分はアメリカで死ぬであろうが一日本人として地に帰るであろう。

2015/03/21

紅花

太平洋戦争を読もうとすると、慣れない軍事用語や言葉遣いで挫折することも多く、「東京裁判」が出て来ると知っていたので、ずっと読もうか迷っていた本。いよいよ東京裁判がはじまり、その心配を払拭させてくれる、作者の力。主人公の最期は決してハッピーエンドでは無かったけど、主人公が背負った荷の重さのお陰で、戦争とは、正義とは、色々深く考えさせてくれた。このまま主人公が、新たな一歩を踏んでしまったら、こう深くは心に残らなかったかも知れない。

2017/04/27

風に吹かれて

「国際法は神聖なり、東京裁判も神聖なる裁きあるのみ――」 日系二世のアメリカ人天羽賢治が翻訳モニターとして東京裁判法廷に初めて入った日、IBMの技師たちとマイクのテストを行ったときの言葉である。 原子爆弾論議は裁判所の権限で打ち切られたのみならずブレイクニー弁護士の原爆に関する発言さえ記録から削除された。判決は戦勝国が求めた“首”に下された。通訳とはいえデス・バイ・ハンギング、「死刑に処す」と賢治は発しなければならなかった。 →

2022/03/18

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