白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)
白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
概ね固有名詞に”先生”という呼称がつく職業は、自分が専門とする職の技術力だけでなく、人格的高尚さが要求される仕事といえる。本著『白い巨頭』とは別名”白亜の塔”や”象牙の塔”のことをいう。「俗世間を離れ、静かに芸術を楽しむ境地。また学者の実社会とは没交渉の現実離れした学究生活を指し。大概に大学の研究室のことを示す」本作では一流の専門分野の医師たちが日夜、自ら精進のために研究に没頭する場であるのだが、物語に登場する大方の権威ある医師たちは、権威と権力を得るため血眼になって奔走する醜い人間の欲望が渦巻いていた。
2016/07/14
テンちゃん
財前五郎( ̄へ ̄)国立大学医学部第一外科助教授!⇨マスコミd=(´▽`)=b脚光!⇨時期教授!?⇨財前ψ(`∇´)ψ傲慢!d(^o^)b後押し\(^ω^\)財力!OB会!⇨現教授の東ψ(`∇´)ψ画策!⇨教授選∑(◎◎ノ)ノ泥沼!⇨欲望!地位!名誉!⇨政治!金!(-_-メ)大学内の矛盾した人間関係!⇨医学会ψ(`∇´)ψ『白い巨塔!』傑作作品。☆∑(°口°๑)4.8
2016/01/09
抹茶モナカ
医者が煙草を吸いまくるのが変だと思っていたら、執筆当時は喫煙と肺癌の関係は曖昧だった様子。教授選挙の裏工作を描く大学病院の権力闘争の話。
2013/11/30
優希
面白かったです。欲望のために互いを利用し、利用される人間関係の怖さに鳥肌が立ちました。大学病院という場は、やはり自分の地位を守ることを優先にするところがあるのでしょうね。マスコミに注目され、時期教授の座を狙う財前と、受け入れまいとする現教授・東。周りも自分の立場を守るべく立ちまわる。これらのドロドロした雰囲気が欲望と打算という感じがしました。まだ1巻なので登場人物や舞台となる場についてが主になっているようです。2巻以降、どのようなドラマが展開されるのか、楽しみです。
2016/10/10
のっち♬
次期教授を狙う外科医財前は、他大学からの移入を画策する現教授を横目にあらゆる術策を駆使して教授選に挑む。更には第三派閥も出現し、序盤は地位と権力を求める彼らの手段を選ばない策略の応酬が話の求心力となる。医局内の様子や現場の流れなどは目を見張るほどの精密な書き込みがされており、専門外の読み手にも伝わるようしっかり配慮されている点は勉強熱心な著者ならでは。また、彼女にありがちな迂遠な導入がないのも本作のとっつきやすさに貢献している。「正しい診断より、教授の権力の方が強大だというのが、大学の医学部の現実だよ」
2018/09/28
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