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白い巨塔〈第3巻〉 (新潮文庫)

白い巨塔〈第3巻〉 (新潮文庫)

白い巨塔〈第3巻〉 (新潮文庫)

作家
山崎豊子
出版社
新潮社
発売日
2002-11-20
ISBN
9784101104355
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白い巨塔〈第3巻〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェルナーの日記

財前が渡航前に行った患者・佐々木が死んでしまう。その死に対し医療ミスが有ったか、否かを問う医療裁判となる。本のタイトル『白い巨塔』とは”象牙の塔”ともいう。これは現実から逃避するような学者の生活や、大学の研究室などの閉鎖社会というような意味も持つ。裁判を通して審議は、一部の人を除き、診断や医療・技術のみを判じ、人を診るという医者の基本を忘れているように思えてならない。”医は仁術なり”とはよく言ったもの。佐々木庸平は患者である前に一人の人間であること肝の命じる必要がある。里見ら少数の人だけが気づいていた。

2017/01/23

のっち♬

術後に一度も財前に診察されずに死亡した患者の遺族は、彼の不誠実な態度に怒り民事訴訟を決意する。正義そっちのけで保身に邁進する鵜飼たちと、立場の危険を顧みずに原告につく里見たち。欺瞞と正義がぶつかり合うスリリングな法廷のやりとりが3巻の読みどころだろう。里見の行動は確かに讃えられるべきものだが、この誠実を極めた丁寧な対応は医療が逼迫するほど不可能に近づくだろう。ここでは「多少の例外」を「最大公約数」の「不可抗力」から救う難しさを思い知らされる。「何という不条理であろうか、しかし、これが現代の白い巨塔なんだ」

2018/10/03

優希

裁判から医学界の欲望と打算を伺えたようでした。財前の手術後に患者を視察することなく、外遊に行った姿勢からして疑問を覚えます。その不誠実な態度から始まった裁判ですが、里見が学内の立場が危うくなってまでも証人台に立つ姿が、その後どう響くのかが気になりました。財前のあまりに自己中心的な姿はイラつきますが、ここまで憎らしいと逆に清々しいかも。救いのないような裁判でも、事実認定で原告側の主張が認められたのは救いなのかもしれません。財前は今後も暴走する気がします。

2016/10/13

抹茶モナカ

外遊を終え帰国した財前は、誤診で訴えられた事を知る。舞台は、大学病院から裁判所へ。医師としての信念から法廷に立った里見助教授は、判決の下った日、国立浪速大学病院への退職願を書く。大学病院の封建性、医事裁判と社会派小説としてのテーマが顔を出して来る。

2013/12/06

miyumiyu

再読。教授の地位を手に入れた財前は、慢心から患者を死なせてしまい、患者家族から訴えられて裁判沙汰に。とにかく山崎さんの取材力と筆力が凄い!臨場感溢れる裁判シーンに、ページをめくる手が止まらない。傲慢な財前と正義を貫く里見。そして判決は…。当初3巻で完結だったのが、社会的反響が凄いあまりに4・5巻の続編ができた本作。カギを握る柳原医師の証言は?里見はどうなる?財前に天罰は下らないのか?再読でも逸る気持ちを抑えられず、いよいよノンストップの4・5巻へ!

2016/01/21

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