女の勲章(下) (新潮文庫)
女の勲章(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー
ykmmr (^_^)
下巻に入り、式子は自分の世界を拡大していく。しかし、相変わらず中身がなく、女ほぼ全員、欲と銀四郎まみれ。銀四郎は相変わらず小賢しいが、式子が居なくなった後はどうする気なのか?式子の救いは銀四郎の策略に気付け、白石教授を頼った訳だが…銀四郎とは逆の、真面目さ故の自己保身野郎で…。ハハハ…。舞台はヨーロッパの各場所まで広がって行くが、この作品が、他のファッショナブルな国だと、どんなSTORYになっていたかが…若干気になる。イタリア・フランスより、スペインを舞台が良いかも…笑…。
2022/02/18
ともくん
少し中途半端な終わり方で消化不良気味。 男に翻弄され続けてきた式子がかわいそうだ。 銀四郎、白石教授の二人のキャラクターが憎らしくて仕方なかった。 こう思ってしまうことが、山崎豊子の術中にハマっているのかもしれない。
2020/01/26
reo
1961年(昭和36年)の作品です。ここでは、この小説の結末に触れませんが、男性上位の社会背景が重くのしかかり、当時の世相を色濃く反映しています。つまり所詮女はこんなもの。とか、女があまり羽振りを利かすと碌なことはないという風潮ですね。「戦後、強くなったのは靴下と女」というフレーズが流行語としてもてはやされたのは1984年のことです。それより23年も前ですからこんなものかと…。今だったらこの結末では女性の支持は得られません。ただ女の虚栄心や欲望、嫉妬などが渦巻き、物語としては誠に結構な出来です。女は怖い!
2017/02/28
薦渕雅春
著者あとがきによると、初めて書いた新聞の連載小説。処女作に書き下しの小説、次に月刊雑誌、週刊誌、新聞と一年に一作ずつ、ちょうど四年目に新聞の連載小説を執筆し、一番難しいと痛感した、と述べている。私が生まれる前の作品。時代背景が古く、言い回しが古いなど、内容に関しては現代の小説ほどのスピード感はないかもしれないが、濃密な心理描写、人間関係の複雑さ 難しさ、欲 や 虚栄心、愛情、どのシーンにおいても緊迫した スリリングな あるいは深遠な著述・表現が成されていると思う。数十年後でも読み継がれている名作だと思う。
2017/08/31
コロンボ
物語後半は、世界的デザイナーであるランベールのデザイン購入の海外編。というか、式子の白石教授に対する想いを叶えるべく、大胆な行動に走るものの、銀四郎に邪魔され、最後は残念な結果に。式子には、その選択しかなかったのでしょうか。銀四郎は原作の方がドラマ以上に悪魔の様な人間だった。3人の弟子たちも下克上の野心が強く、読後感は、人間不審になりそう。自分の回りは、こんな人たちばかりではないと信じたい。
2017/07/09
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