荷風散策: 紅茶のあとさき (新潮文庫 え 4-3)
荷風散策: 紅茶のあとさき (新潮文庫 え 4-3) / 感想・レビュー
うえ
荷風の鋭い街への観察眼を、裏から透視するかのような本。中盤以降から、途端に面白くなる。「昭和二二年になって、中野重治は『五勺の酒』に、新憲法公布の式典にかり集められた民衆の「寸毫の感激をも催すことな」き無表情振りを描いているが、荷風先生が、いち早く戦時中に、同じ表情を観察しているのは面白い。徴用も空襲も、いわんや新憲法も何等「感激」の対象ではない。…重大事は、満員電車に首尾よく乗れるかどうかだという民衆の無感動は、そのまま実は今日に継続している」ここでいう民衆はオルテガのいう「大衆人」と表裏一体であろう。
2021/03/26
iwasabi47
読友レビューから。よかった。江藤淳はじめてかな?またあとで。
2021/04/18
分魚
読了。旧仮名遣いと原文に阻まれ半分までがつらかったが、半分以降は慣れたのかあっという間に読めましたが、濃かった(笑) 荷風論なだけあってもっと作品読んでから読めばよかったかな?とも思えるけど単品でも楽しめました。何故か平衡して読んでいる「圏外へ」が同じようなニオイがする・・・カタリテが出てくるから?まぁ、次にいきましょ。
2012/02/02
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