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わるいやつら 下 (新潮文庫 ま 1-9)

わるいやつら 下 (新潮文庫 ま 1-9)

わるいやつら 下 (新潮文庫 ま 1-9)

作家
松本清張
出版社
新潮社
発売日
1966-05-10
ISBN
9784101109091
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わるいやつら 下 (新潮文庫 ま 1-9) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

下巻に入っても、戸谷の悪事は続く。 金と打算のために 次々と悪事を 重ねる戸谷…ひどく昭和的な 男女の 描写が なぜか懐かしい。 登場する誰もが 悪い奴らで、 小気味良いのも 松本清張らしい。 最後は 勧善懲悪の終わりだが、昭和の雰囲気満載の社会派ミステリーだった。

2019/03/03

hatayan

意中の女性である槇村隆子に求婚するために、戸谷は弁護士の下見沢を通して借金し、資産家で愛人関係にある藤島チセからさらにカネをせびります。頻繁に病院を訪れるようになる刑事、会いたいときに会えない藤島チセ。積み重なる違和感は戸谷を消耗させ、他人を陥れることで命脈を保っていた自分自身がいつの間にか他人の大きな意図に包囲されていることに気づきます。完全犯罪が崩れたのは、殺したと思っていた婦長の寺島トヨが実は生きており、復讐の炎に火をつけたからでした。欲望に忠実な人間の悲劇を描いた小説として一気に読める作品です。

2020/09/04

ユウユウ

『わるいやつら』というタイトルの意味に、最後で打ち抜かれたような気持ちになった。どこか松本清張らしくないというか、松本清張もこんな黒エンタメみたいなのも書くんだなと思ったのは、大きな力に差し迫られる社会悪も、犯罪に立ち向かおうという正義もなく、ただひたすらにどこか滑稽ですらある「悪」が描かれているからかと。読み終わって改めて思い返すと、怪しいところは山程あるのだけれど、読んでる最中は引き込まれてそれどころではなく、上下巻本当に一気読み。本当はきっと最初から全て仕組まれていたのだろうな。「わるいやつら」だ。

2020/05/08

ぐうぐう

読み始める前は、大藪春彦の伊達邦彦シリーズのような、ダークヒーローのピカレスク小説をイメージしていたのだが、主人公の戸谷が物語を支配できているのは、せいぜい上巻までだ。下巻では、信じていた完全犯罪が次から次へと綻び始める。松本清張は社会派ミステリというイメージから、リアリティ重視だと思われがちだが(それはそれで事実なのだが)、ときどきあっけにとられるようなアクロバティックは展開を用意するからびっくりだ。この下巻でも、追い詰められた戸谷の妄想と思わしき推理が、実際に起こってしまうのが面白い。(つづく)

2018/07/10

matsu04

これは凄い、面白い。上巻は悪党の戸谷信一の所業にただただ気分が悪くなるだけだったが、下巻になって次第に追い詰められていく彼が何だか可哀想にもなってくるのだった(集めた骨董も残念な結果だったし)。それにしても井上警部の取調べシーンが鋭過ぎる。ラストも衝撃的だ。(再読)

2023/02/05

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