渡された場面 (新潮文庫)
渡された場面 (新潮文庫) / 感想・レビュー
matsu04
推理小説長編。これは面白い。思わぬ展開に唸らされる。終盤に向けて捜査が一気に進展していく。凄い迫力だ。エンディングも良い。さすがである。
2020/12/21
エドワード
九州の素人作家が同人誌に掲載した作品の文章が、四国のある殺人事件の現場を的確に描写していた。訪れたことも見たことも無い場所をここまで描けるものか?盗用の仮説を立てる警察は、捜査の末、ある著名な作家が四国と九州の両方の現場を訪れていた事実にたどりつく。素人作家と著名な作家を結ぶ、旅館の女中。彼女の行方は…。漁港、鄙びた旅館、駅、バスドライブ。山と海岸線が目に浮かぶような、日本の原風景が松本清張ならではの郷愁を誘う。徹底的に隠したはずの計画が、偶然の出来事から全て裏目に出る。これもまた、因果応報の物語だ。
2018/08/29
kai
何十年振りの松本清張。頁の隅々から作品の風景がくっきりと見える。昨今の軽いジョークが入る場面は全くなしで、ラストまで続く緊迫感と簡潔な文章に入りから結まで真剣に読みこんだ。刑事コロンボのような倒叙物での展開は氏の作品では初めてだったが時代が変わってもスリル満点だった。当代の超人気作家だった松本清張の凄さ、鋭さを体感した。ハマりそうな気配がする。
2017/01/27
コーデ21
《中央文壇志向の青年が盗作した小説が鍵となる推理長編》これぞ清張節といえる細やかなディテールの積み重ね!些細な日常のほころびを、九州と四国という異なる場所の事件と結び付ける技はさすがの上手さ! 途中、少々冗漫に感じる部分もあったものの、清張氏独特の暗い情念(笑)をじっくりと堪能できました^^
2024/06/28
さきん
初松本清張。盗作した小説の中身に殺人事件解決の糸口があったというものの盗作した本人もまた違う殺人事件を起こしており、フィクションしすぎていて面白いとは思えなかった。佐賀坊津の言葉はかわいらしくていいなと思った。
2018/11/25
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