松本清張傑作選 時刻表を殺意が走る: 原武史オリジナルセレクション (新潮文庫 ま 1-67 松本清張傑作選)
松本清張傑作選 時刻表を殺意が走る: 原武史オリジナルセレクション (新潮文庫 ま 1-67 松本清張傑作選)
- 作家
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2013-02-28
- ISBN
- 9784101109732
松本清張傑作選 時刻表を殺意が走る: 原武史オリジナルセレクション (新潮文庫 ま 1-67 松本清張傑作選) / 感想・レビュー
KAZOO
原武史さんによる松本清張のアンソロジーでやはり鉄道関連の作品が集められています。当然のことながら「点と線」は収められています。そのほか「顔」「万葉翡翠」「たづたづし」「拐帯行」です。鉄道関連だと「砂の器」も当然入るのでしょうが長編すぎるのでしょう。「点と線」はいま読み直しても名作だと思います。すべて当時の社会情勢というか時代背景がかなり色濃く反映されている作品集です。私はそれなりに年齢を重ねていて読んでいても当時の状況を思い出し楽しめますが最近の人はどうなのでしょうか。
2023/04/26
シュラフ
「点と線」 「顔」 「万葉翡翠」 「たづたづし」 「拐帯行」 収録。「たづたづし」がなんともよかった。邪魔になった女を殺そうとするが、実は女は生きている・・・記憶喪失となった女を騙してあらためて囲うのだが・・・ある日突然に女は失踪してしまう・・・しばらくたった木曽路の山あいへの出張の折に男は偶然にも女を見かける。ずいぶんとひどい話ではあるのだが、男の身勝手や薄情に腹はたたないし、女の悲劇も哀しくならない。女の薄幸はそういう運命ゆえのように思えてくる。万葉の時代から続く男と女の物語・・・今も昔も変わらない。
2015/02/07
昭和っ子
『たづたづし』とは「おぼつかない」という意。今は立派な警視総監の内藤剛志がDV夫の役をやってた、このドラマ化が好きだった。吉川十和子の薄幸美女役がハマっていて、後に彼女がバッシングされても嫌いになれなかった。役所で出世したからそろそろ浮気でも…といい気な男が、面倒を嫌ったとはいえこれで殺しまでする?とツッコミつつ「猟奇的」がないミステリーは、どこかアッサリとして気持ちよく読了。ドラマでの、自分の罪と美女への未練と落とし児に翻弄される男の有り様がまさに「たづたづし」で、2時間ドラマへの清張氏の貢献を感じた。
2020/07/30
八百
ネットも携帯もない時代の推理小説が今さら現代に通用するのだろうか…ましてや「点と線」で鉄道ダイヤのトリックを暴くシーンでは読者の誰もがすぐに飛行機を思い付いているのである。それでも面白い、久々に寝食忘れてのめり込みページを捲る手が止まらないのはやはり独特の視点と丁寧な作り込みで構成された清張先生の作品だからであろう。最近はいろいろな選者でのオムニバス作品集が増えてきて「なぜその選者がその切り口でその作品を選んだか!?」なんて楽しみもまた一興、松本清張はこれからも永遠なのだろうな、きっと
2013/03/22
ろこぽん
時代は古いけど今の世の中にはないドキドキ感が味わえる。 電報を送ったら、返事が来るのは3日後とか。。。そんな時代の刑事ってまさに足で解決だよねー、すごいわ。松本清張傑作選の中で、今のところこれが一番。
2020/06/10
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