KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

夢みる少年の昼と夜 (新潮文庫 ふ 4-5)

夢みる少年の昼と夜 (新潮文庫 ふ 4-5)

夢みる少年の昼と夜 (新潮文庫 ふ 4-5)

作家
福永武彦
出版社
新潮社
発売日
1972-11-01
ISBN
9784101115054
amazonで購入する Kindle版を購入する

夢みる少年の昼と夜 (新潮文庫 ふ 4-5) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

耳クソ

衝撃的な名篇「世界の終り」が、こんなにつまらない他の作品の巻末に収録されていることはある意味日本文学史上の不幸というべきか。それは小説というより、無限に遠ざかる未来からの暗号文書であった。「ここからずっと送ってる暗号を/君はまだ解読できてない」(宇多田ヒカル『Can You Keep A Secret?』)。中学生のときに「世界の終り」を初めて読んで、見渡せば世界の終りのような夕焼けのなかで、私のすべてはこの作品のためにあったような気がした。受信したのだ。そしていまもしている。それはそこにある。私は見る。

2023/09/07

ジュンコ

少年、精神分裂の女性、哲学者…いろいろな人物の心情を描いた短編集。それぞれの日常の一部が切り取られているのだが、それが退廃的で、幻想的で、現実と虚構の淵をさまよう感じ。表題作のラスト、鳩時計の「クックウ」の繰り返しが印象的。

2017/04/30

アマヤドリ

やわらかなのにしんとした絶望がどこかにある。雨の日に読んだから余計、かもしれない。

2011/05/10

妻の蔵書より一冊。絶版ものは古書買いせざるを得ないが、こういう場合非常に助かる・・福永は他にも数冊あるようだ。短編11編収録。表題作は、少年の幻想と現実の交錯、汚れのない世界(大人には失われた世界)、誰もが一瞬だけ通り過ぎる世界(時間)を映し出している。又、モノローグの引用により主人公の内面(心・夢・深層心理)がよく描かれており、本人も気づいていない傷ついた少年の心理、純粋な切なさのようなものが読後感に残る。当時の文壇では今一つの評判だったようだが、他にも数編良い作品がある。

2014/08/18

あかつや

短編11編。好きなのは「一時間の航海」かな。旅先で定期船に乗った大学生。海が荒れていて船室に閉じ込められるが、乗客の中に若い娘を見つける。なぜか熱烈に恋に落ちる大学生。気分の悪そうな彼女に声をかけ、身の上話など聞いて気分が盛り上がっていく。変な話だけど、まあ旅のテンションってそういうもんだよな。たぶん後で会ってもなんか違うなあって気分になるんだ。変といえば「風景」の青年も面白かった。療養所で会った変わった患者の話。毎朝起き抜けに「ちくしょう!」と叫ぶらしい。コウメ太夫だってそんなタイミングでは叫ばねえよ。

2022/08/11

感想・レビューをもっと見る