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雀の手帖 (新潮文庫)

雀の手帖 (新潮文庫)

雀の手帖 (新潮文庫)

作家
幸田文
出版社
新潮社
発売日
1997-10-29
ISBN
9784101116099
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雀の手帖 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

見事な随筆だと思う。頭で書いたのではなく、体全体で書いた言葉。だから観念的ではなく、日常の生活に密着している。「私の鉛筆は新しいところへはにかむ」(「初日」)のような文章を読むと、真新しくて、よく尖った鉛筆のイメージが頭の中に浮かんでくるし、「はにかむ」という日本語の美しさを改めて感じる。現在のAIの発達には目を見張るものがある。将来は人工知能が長い文章も作成するようになるかもしれない。それでも、血の通った、瑞々しい幸田文のような文章を、AIが書くのは難しいだろう。

2018/08/21

優希

日常の何気ないことですが、暮らしがあるのだなと感じます。日々の時間を慈しむような雰囲気が良いと思いました。毎日を大切にしたくなる随想です。

2018/04/22

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

100回の新聞連載が一冊になったエッセイ集。独特な言葉や言い回しもリズムが心地よくて思わず口にしたくなる文章。ひとつひとつは短いエッセイだけれど、季節の描写、時の移ろい、言葉にはしない人の心、必ずどこかに、新鮮でハッとする言葉や文章に出会える仕合わせが幸田文さんの書くものにはある。父幸田露伴と永井荷風の付き合いや、新素材の布で仕立てたワンピースを寒がる幼い娘玉さんとのバス停での母娘のやりとりが特に好きだ。

2017/06/09

よこたん

“うしろ姿を追いかけてはのろいのである。こちらが先へ踏み出して待っているようにしなくては、春の顔は見ることができない。” 春を感じる話は心地よい。一月から五月までの百日間の随想集。美智子妃殿下の御結婚、荷風先生のお葬式など時代を感じる話題もあるが、季節折々の行事、植物、生活のこと、失敗談など結構好き勝手に書き留めてあって楽しい。お豆腐屋さんの大きな塊の豆腐を、大包丁で切ってみたいという幸田さんの願望、私も同じことを思いながら店先でじっと眺めていたことを久しぶりに思い出した。柿の若葉の色、来春見てみよう。

2018/10/01

双海(ふたみ)

再読。夏に帰省したときにもう一度読みたくなったので。暮らしの実感が伝わってくる。志村ふくみ(染織家)・上村松園(日本画家)などの随筆も好きだ。

2017/10/09

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